荷を積んでいる間にワイヤレス給電、24時間止めずに動ける無人搬送機蓄電・発電機器(1/2 ページ)

ダイヘンは「TECHNO-FRONTIER(テクノフロンティア)2016」(2016年4月20〜22日、幕張メッセ)において、磁界共鳴方式を採用したワイヤレス給電システム「D-Broad」を搭載した無人搬送台車(AGV)を紹介した。

» 2016年04月21日 15時00分 公開
[三島一孝スマートジャパン]

 電力インフラや溶接機・ロボットなどのモノづくり関連製品を製造するダイヘンでは、2014年12月に無人搬送機AGV(Automated Guided Vehicle)向けで、業界初となる自動整合回路搭載の磁界共鳴回路方式を用いたワイヤレス充電システムの開発を発表。2015年3月末には、ワイヤレス給電システム「D-Broad」シリーズとし、AGV用システムをその第1弾製品「D-Broad CORE」として発売している。

 今回のテクノフロンティアでの出展は「D-Broad CORE」のデモを中心に、主に工場向けの無人搬送機での搭載用として提案した(図1)。

photo 図1 「D-Broad CORE」をAGVに搭載したデモ。赤丸が受電ユニット

 工場内の電動機器は人手による充電ケーブル接続やバッテリー交換が必要で、ワイヤレス給電技術を採用したとしても従来技術では、メンテナンスや設置スペース、人的リソースや感電の危険性など、さまざまな課題があった。さらにコスト管理が厳しく行われている工場においてワイヤレス給電のためだけに全ての搬送機を入れ替えるというのは現実的でなく、既存設備を有効活用できるワイヤレス給電技術などが求められていた。

 ダイヘンが開発した、ワイヤレス給電技術「D-Broad」シリーズは、広い位置ズレ許容範囲を持ち、業界最高水準の高効率給電を行えることが特徴。送受電コイル間の距離30±10ミリメートル、AGVの停止位置±10ミリメートルを許容し、システム効率は85%以上を実現している。さらに蓄電デバイスとして、鉛蓄電池の替わりにキャパシタユニットを採用することで、60A(アンペア)という大電流による急速充電が可能である。さらに既存の搬送機に受電ユニットを搭載し、任意の停止位置に送電側ユニットを設置するだけで簡単にワイヤレス給電システムを導入することが可能である(図2)。

photo 図2 既存のフォークリフトに設置したイメージ
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