アップルの再生可能エネルギー利用率が93%へ、1年間で6%増加自然エネルギー(1/2 ページ)

事業活動で使用する電力の全てを再生可能エネルギーで担うことを目指すアップルだが、4月22日の「アースデイ」に当たり、1年間で6%も再生可能エネルギー利用率を伸ばし、93%に達したことを明らかにした。

» 2016年04月26日 11時00分 公開
[三島一孝スマートジャパン]

 「アースデイ」とは、「地球環境のことを考える日」として、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)が概念を作り1970年から始まった世界的な取り組みである。最近では世界各国の主要企業が地球環境の保全に向けて積極的な取り組みを進めており、米国アップル(Apple)でもここ最近はのアースデイを契機にさまざまな地球環境への取り組みをアップデートするのが恒例となっている(関連記事)。

 地球温暖化など地球規模の環境問題が発生する中、グローバル企業への環境問題への取り組みは世界的に大きな関心となっており、特にIT企業に対してはクラウド化の流れもあり、データセンターでの膨大な電力消費があることから、環境への取り組みを求める声が高まっている。

再生可能エネルギーの利用率100%へ

 アップルではこれらの要望から環境対策を強化しており、いち早く事業活動で使用する電力の100%を再生可能エネルギーで賄うことを宣言。これに向けて、太陽光発電所など再生可能エネルギーへの投資を世界中で進めており、年々再生可能エネルギーの利用率を高めてきていた。

 同社が対象としているのは自社オフィス、Apple Store、データセンターを含む自社施設全ての電力であるが、既に米国、英国、中国、オーストラリアなどの23カ国で再生可能エネルギー100%を実現し、2016年1月時点で達成率は93%に達したとしている。2015年のアースデイの時期には87%であったため、1年間で6%伸ばしたことになる。

 再生可能エネルギーの利用率を高めるために、斬新なソーラープロジェクトへも積極的な投資を進めている。例えば、シンガポールでは人口密度が高く、メガソーラーなどを建設する十分なスペースが取ることが難しい。そこで、シンガポールの再生可能エネルギーのプロバイダーであるSunseapと協業し、市街の800以上の建造物の屋上に35MW(メガワット)のソーラーパネルを設置。同ソーラープロジェクトから、シンガポールにあるアップルの全てのオフィスとデータセンターの電力を賄っているという(図1)。

photo 図1 シンガポールのソーラープロジェクトのイメージ 出典:アップル
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