電力の小売全面自由化が始まったばかりだが、1年後に控える都市ガス自由化を見据えた動きも進んできた。東京電力は2017年4月から日本瓦斯と同社グループ企業の3社が販売する都市ガスの全量を供給する。さらに都市ガス自由化に向けたアライアンス協議も開始する。
東京電力エナジーパートナー(東電EP)と日本瓦斯(ニチガス)は2016年5月9日、東京都内で会見を開き、都市ガス事業における提携を発表した。ガス小売の全面自由化がスタートする2017年4月より、ニチガスと同社の一部グループ会社が販売する都市ガスの全量を東電EPが供給する計画だ。
東京電力とニチガスは2015年10月、既に小売電力の販売で提携を発表している。東京電力が2016年4月から販売する小売電力を、ニチガスが代理店として販売できる体制を整えた。ニチガスが扱うLPガスの小売は既に全面自由化されており、セット販売が可能だ。この「セット割」とニチガスが持つ関東圏を中心とした100万を超える顧客基盤を武器に、顧客開拓を進めている(関連記事)。
今回の発表はこうした事業提携の範囲を都市ガスにも広げたものだ。東電EPはニチガスとそのグループ会社である東彩ガス、東日本ガス、北日本ガスが販売する都市ガスの全量を卸供給するが、これはLNG換算で年間24万トンに相当するという。契約期間は非公開だが「長期の契約」とした。
ニチガスとグループ会社3社のこれまでの都市ガスの調達先は東京ガスだったが、2017年4月からは東電EPに乗り換えることになる。ニチガスは東京電力から調達した都市ガスを約30万世帯に提供する計画だ。
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