関東一円でプロパンガスと都市ガスを販売するニチガスが、東京電力の販売代理店になって2016年4月から電力とガスのセット販売に乗り出す。100万強の顧客を抱えるニチガスはエネルギー業界でも最先端のITシステムを駆使したサービスを提供することで知られている。
いよいよ小売全面自由化まで6カ月を切り、東京電力の小売戦略が加速してきた。携帯電話大手のソフトバンクと全国規模で提携準備を進めるのと並行して、関東で100万強のガス利用者を顧客に抱えるニチガス(日本瓦斯)と販売面で業務提携することを決めた(図1)。
ニチガスは1955年に創業した大手のガス事業者で、5つのグループ会社を傘下にプロパンガス(LPG、液化石油ガス)と都市ガスを販売する。プロパンガスは東京電力とほぼ同じサービスエリアを対象に供給する一方、都市ガスは関東5県(茨城、栃木、千葉、埼玉、神奈川)の一部エリアに限定している(図2)。
プロパンガスの直売戸数では関東で最大、都市ガスでも東京ガスと京葉ガスに次いで関東で第3位の顧客数がある。プロパンガスと都市ガスを合わせた顧客数は100万を超えて、全国のガス事業者の中でも第5位の規模だ(図3)。100万強の既存顧客を中心に、東京電力が供給する電力とガスを組み合わせて2016年4月から販売開始する。
すでにプロパンガスは小売が全面的に自由化されているため、家庭向けにも電力とプロパンガスのセット割引を適用することができる。東京電力は2016年4月から家庭向けの料金プランを刷新する予定で、プロパンガスや携帯電話とセットにした新プランを近く発表する見通しだ。都市ガスは2017年4月に小売全面自由化へ移行してからセット割引が可能になる。
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