CO2の増加が止まらない、日本付近の大気中濃度が過去最高にエネルギー管理(1/2 ページ)

地球温暖化につながる大気中CO2濃度の上昇が続いている。気象庁の調査結果で2015年の日本付近のCO2濃度は、地上、上空、海面の全ての観測点で過去最高を記録したことが分かった。

» 2016年06月08日 07時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

 気象庁が2016年5月発表した調査結果で、日本付近の大気中のCO2濃度は引き続き上昇傾向にあることが分かった。国内の地上観測地点、日本南東の上空大気、日本の南方海上における冬季の海面のいずれにおいても、2015年のCO2濃度は過去最高を記録した。

 陸上大気の調査観測地点は「綾里」(岩手県大船渡市)、「南鳥島」(東京都小笠原村)「与那国島」(沖縄県八重山郡)の3カ所。それぞれの観測地点における2015年のCO2濃度の年平均値は、順に403.1ppm(前年比+1.8)、401.4ppm(同+1.9)、403.8ppm(同+2.0)と過去最高を更新した。

 綾里と与那国島の年平均値が400ppmを超えたのは2014年だが、今回の調査で南鳥島でも初めて400ppmを超えた(図1)。年平均値の前年からの増加量は、近年の世界的な年増加量と同程度としているが、CO2濃度の上昇が続いていることが分かる。なお、2016年4月の月平均値でも3地点全てで過去最高の濃度を更新している。

図1 南鳥島における大気中CO2濃度の変化 出典:気象庁

上空も過去最高

 上空のCO2濃度は神奈川県綾瀬市から南鳥島の上空6キロメートル付近の大気を、航空機を使って観測している。2016年4月の経路上の平均値は406.9ppmと過去最高になった(図2)。

図2 上空のCO2濃度の調査結果 出典:気象庁
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