小売事業者は電源構成開示へ、約8割が公開を進める意向電力供給サービス(1/2 ページ)

電力小売全面自由化で「使用電源を選びたい」というニーズが増えているのに対し、参入小売事業者も電源構成に積極的に対応していく姿勢が強まっている。全国消費者団体連絡会が行った小売電気事業者に対するアンケート調査では、参入事業者の約8割が将来的に電源構成を開示する姿勢を示している。

» 2016年06月09日 09時00分 公開
[三島一孝スマートジャパン]

 2016年4月1日の電力小売全面自由化以降、新たに参入した小売電気事業者の動向に大きな注目が集まっている。既に登録小売電気事業者は300社を突破しており、今後もさらに地方新電力などが増加するとみられている(関連記事)。

 こうした中で全国消費者団体連絡会では家庭向け電力小売りに参入している小売電気事業者に対し情報開示に関するアンケートを行った。調査期間は2016年4月25〜5月25日で、対象は同年4月25日時点で「登録小売電気事業者」に掲載された289事業者の内、一般家庭向けの電気小売り事業を行う意向のある249事業者。調査用紙を電子メールおよび郵送で送付し、最終的に146事業者からの有効回答を得たという(図1)。

photo 図1 回答企業115社の電力供給エリア 出典:全国消費者団体連絡会

小売開始予定がない事業者が21%も

 146事業者の内、2016年4月25日時点で家庭用電気小売事業を「行っている」とした事業者は全体の54%となる78事業者となった。この質問で特に注目すべきなのは「2016年4月25日現在は行っておらず、今後も予定していない」とした事業者が全体の21%となる31事業者も存在することだ。基本的に書類の提出だけでよかった特定規模電気事業者と違い小売電気事業者は審査などを含め登録するには負担がかかる。こうした負担を経て取得した小売電気事業者登録にもかかわらず、小売開始予定がない事業者が多い点は事業運営の難しさを感じさせる(図2)。

photo 図2 家庭向けの電気小売事業を行っているか(回答数146) 出典:全国消費者団体連絡会

 ちなみに「2016年4月25日現在は行っていないが、今後行う予定である」とした37事業者の内、19事業者が2016年9月末までに開始予定としていた。

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