太陽光型植物工場でトマト栽培、新規事業の農業ビジネスを本格始動太陽光

大林組はグループの中期経営計画で建築、土木、開発事業に続く第4の柱として新領域事業を掲げ、収益基盤の多様化を推進している。その一環として取り組んできた農業事業において、太陽光型植物工場で栽培したミニトマトをこのほど初出荷。新領域の農業ビジネスを本格始動する。

» 2016年06月15日 11時00分 公開
[長町基スマートジャパン]

 大林組グループは新規事業として取り組んでいる農業ビジネスを本格始動する。「オーク香取ファーム」(千葉県香取市)の太陽光型植物工場で栽培したミニトマトをこのほど初出荷した。

<strong>図1 太陽光型植物工場の様子 出典:大林組</strong>

 同社は太陽光をはじめとした再生可能エネルギー発電事業を中心に拡大を続ける新領域事業で、以前から農業ビジネスへの参入について検討を重ねてきた。オーク香取ファームの事業がその第1弾となる。

 オーク香取ファームは農事組合法人の和郷園と提携し、和郷園の栽培指導や販売ルートの活用により事業を推進。現在は、従来の温室ハウスに温度・湿度・光量を制御する複合環境制御システムを装備した太陽光型植物工場(約2000平方メートル)でミニトマトを栽培している。今後は施設を約1ヘクタールに拡大する予定だ。また、植物工場の拡大に合わせて、工場内外の環境データを収集・分析して生育速度や収穫時期の予測・管理を実施していく。

 さらに、位置情報の管理システムなどを活用し、人の動きを「見える化」して作業効率を検証するなど、これまで建設事業などで培った環境制御や省力化に関する技術・ノウハウやICTを活用して、さらに栽培効率や生産能力を高めていく計画だ。

 大林組はグループの中期経営計画で建築、土木、開発事業に続く第4の柱として新領域事業を掲げ、収益基盤の多様化を推進している。今後も、栽培品種の多様化や人工光型植物工場によるビジネスも検討し、農業ビジネスの拡大に向けた取り組みを推進して行く方針だ。

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