JFEエンジニアリングが北海道で進めているスマートアグリ事業の拡大に向けて、新プラントを建設する。木質チップを燃料とするバイオマスボイラーを導入して、地域の資源を活用しながら温室内で高糖度トマトなどを栽培する計画だ。
JFEエンジニアリングは関連会社のJファームと北海道で取り組んでいるスマートアグリ事業の拡大に向け、札幌市内に新しい栽培プラントを建設する(図1)。木質チップを活用したバイオマスボイラーを活用して温室に熱を送り、高糖度トマトなどの栽培を行う計画だ。
Jファームは2013年11月にJFEエンジニアリングとアド・ワン・ファームが共同出資で設立した農業生産法人。苫小牧市を中心にスマートアグリ事業を推進している。2014年8月から同市内にある「苫小牧プラント」でトマトやベビーリーフなどの栽培技術の実証を進めており、2015年12月にはさらに栽培設備を拡張している。生産した農産物は道内のデパートやスーパーマーケット、シンガポールなどで販売している(図2・3)。
現在稼働している同社の一部工場では、寒冷地帯でありながらマンゴー、アボカド、ドラゴンフルーツといった熱帯果実の栽培にも取り組んでいる。そして同社のスマートアグリ事業の大きな特徴がこうした植物の栽培に必要な熱エネルギー源として、木質バイオマスなどを積極的に活用している点だ。
札幌市の丘珠地区に建設する新プラントには、ベース熱源として出力450kW(キロワット)のバイオマスボイラーを2台、ピーク時の熱源として天然ガス(LNG)を利用する出力1160kWのガス焚き温水ボイラーを3台導入する。
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