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» 2016年06月24日 11時00分 UPDATE

法制度・規制:電力会社2社に行政指導、工事費負担金の請求で禁止行為 (1/2)

再生可能エネルギーの発電設備から電力を供給する場合に、電力会社の送配電ネットワークの増強工事を必要とするケースがある。工事費は電力会社と発電事業者で負担するが、その金額の請求に関して電力会社2社に禁止行為があった。国の委員会は行政指導を実施して改善を求めた。

[石田雅也,スマートジャパン]

 国を挙げて電力の小売全面自由化や再生可能エネルギーの拡大に取り組んでいるにもかかわらず、それを阻害するような行為が電力会社で相次いでいる。市場のお目付け役である電力・ガス取引監視等委員会は6月17日に、電力会社2社に対して口頭による行政指導を実施した。

 委員会が電力会社10社とJ-Power(電源開発)を対象に2015年度の電気事業に関する監査を実施したところ、電気事業法で定める禁止行為が見つかったためだ。どの電力会社かは公表していないが、特定の発電事業者に対して工事費負担金を過剰に請求するなどの禁止行為が2社で合計4件あった(図1)。同じ日には東京電力が料金通知の遅延で業務改善勧告を受けている。

図1 電気事業法の禁止行為に該当した事項(2015年度の電気事業監査による)。出典:電力・ガス取引監視等委員会

 問題になった禁止行為は太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーの導入に影響を与えるおそれがある。発電事業者が新しい発電設備を送配電ネットワークに接続するにあたっては、送電線などの増強工事が必要になることが多いからだ。固定価格買取制度の認定を受ける時にも、電力会社に接続を申し込んで、契約を締結してから工事費の負担金を支払う必要がある(図2)。

図2 固定価格買取制度の認定手続き(2017年4月の改正後、画像をクリックすると拡大)。出典:資源エネルギー庁

 負担金は国のガイドラインに従って電力会社の送配電部門が算出して、発電事業者に請求する仕組みになっている。工事費は状況に応じて発電事業者と電力会社で分担する。発電事業者の負担分を「特定負担」、電力会社の負担分を「一般負担」と呼ぶ(図3)。このうち特定負担の請求で禁止行為があった。

図3 新しい発電設備を送電線に接続する場合に必要な増強工事費の負担例。出典:電力広域的運営推進機関

 従来は大規模な火力発電所などを新設する場合に、送電線の増強工事費を電力会社が負担(一般負担)してきた。その一方で固定価格買取制度(FIT:Feed-In Tariff)の対象になる再生可能エネルギーの発電設備に対しては、全額を発電事業者が負担(特定負担)する形になっていた。これでは再生可能エネルギーの導入量を拡大するのがむずかしくなってしまう。

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