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» 2016年07月20日 09時00分 UPDATE

自然エネルギー:台風で使えなくなった町営の小水力発電所、パワーアップして5年ぶりに運転開始 (1/2)

北海道で5年前に運転を停止した町営の小水力発電所が復活した。60年以上も前に建設した古い発電設備が台風による洪水で使えない状態になっていた。設備を譲り受けた民間の発電事業者が全面的な更新工事を実施して、発電能力を増強したうえで運転再開にこぎつけた。

[石田雅也,スマートジャパン]
図1 遠軽町の位置。出典:遠軽町総務部

 北海道の北東部に位置する遠軽町(えんがるちょう)は東西・南北に約50キロメートルの広さがある(図1)。町内を流れる川の水を利用して「白滝発電所」が最初に運転を開始したのは、戦後間もない1952年のことだ。

 ところが2011年9月に北海道を襲った台風による洪水のため、水車発電機や制御装置などが浸水して運転を続けることができなくなってしまった。発電所を運営していた遠軽町は自力で復活させるのはむずかしいと判断して、小水力発電で実績がある日本工営に設備を譲渡して運転再開を託した。

 水車発電機をはじめ設備を一新した白滝発電所は2016年7月2日に再び発電を開始して約5年ぶりに復活を遂げた(図2)。発電能力は260kW(キロワット)で、以前の220kWからパワーアップしている。年間の発電量は216万kWh(キロワット時)を見込み、一般家庭の使用量(年間3600kWh)に換算して600世帯分に相当する。

図2 「白滝発電所」に設置した水車発電機。出典:日本工営

 発電した電力は全量を固定価格買取制度で売電して、収益の一部を遠軽町の地域振興に生かす方針だ。自治体が運営していた小水力発電所を民間に譲渡して固定価格買取制度で売電する全国で初めてのケースになる。

 白滝発電所は運転再開に向けて設備を全面的に更新・改修した(図3)。浸水して使えなくなった電気設備のほかに、老朽化した取水設備や導水路、水車に水を送り込むための水圧管路、さらに発電所の建屋も新設した。洪水の被害を再び受けないように、発電所の河川側に防水壁を設置して、水量を自動で制御する電動のゲートも併設している。

図3 設備更新・改修の内容。出典:日本工営
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