パナソニックと東京都港区は、気化熱を用いて、オープンスペースの暑さをやわらげ、環境に優しい「グリーンエアコン」の実証実験を、東京都港区の新橋駅前で実施する。
パナソニックと東京都港区は夏季のヒートアイランド対策などを目的に、微小の霧による気化熱を利用した「グリーンエアコン」の実証実験を開始した。実証実験は、多くのサラリーマンなどでにぎわう、新橋駅西口の駅前広場「SL広場」で実施。気象条件と快適性の相関性などを見極め、最適な暑熱対策を実現することを目指す(図1)。
今回の実証実験は、港区が提供する公共空間である新橋駅前西口広場に、パナソニックが現在開発中のドライ型ミストを搭載した「グリーンエアコン」を設置し、屋外空間での冷却性能や利用者の快適性などの検証、効果確認を行うものである。
港区では、2020年のオリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、オープンスペースにおけるクールスポット作りを目指しており、これに伴いパナソニックの「グリーンエアコン」を実証実験することを決めたという。
「グリーンエアコン」は、極微細なドライ型ミストを噴霧し、蒸発冷却効果により周辺環境を冷却する機器である。既にミスト型の地域冷却機器はさまざまな地域で実用化されているが、パナソニックのグリーンエアコンの特徴は、水の粒子を小さくし、近づいてもぬれにくく高い冷却効果がある点だとしている。ミストは1噴霧口当たり1分間に100ミリリットルの水を噴霧するとしており、12の噴霧口を持つ試作機では1分間当たりで1.2リットルの水を消費するとしている。
さらに、上部からは斜め下方向への風を起こしており、冷却空間を保持できるエアカーテン機能を持たせている。屋外の自然風に対し、ミスト冷却空間が乱されることを防止できるという(図2)。
その他、人工葉材料で構成される日よけ部材で夏の日差しの角度に合わせて配置することで日射を効果的に遮蔽する機能を実現。保水性のある舗装用ブロックを配することで、噴霧ミストの水分を保持し、蒸発冷却効果により地面温度上昇を軽減することなども行っている。
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