蓄電池システムをクラウドで統合管理、VPPのプラットフォームへ:蓄電・発電機器
エリーパワーは、可搬型蓄電システムの新製品を発売するとともに、新たに蓄電池の設定変更などを簡単にクラウド経由で行える新サービス「ELIIY CLOUD」を開始した。
蓄電池ベンチャーのエリーパワーは、2016年4月に発表した可搬型蓄電システム「POWER YIILE 3(パワーイレ・スリー)」をこのほど発売した他、新たにクラウドサービス「ELIIY CLOUD(エリークラウド)」を開始した(図1)。
図1 パワーイレ・スリーとスマートフォンによるエリークラウドのイメージ(クリックで拡大)出典:エリーパワー
パワーイレ・スリーは同社が2010年から展開している可搬型蓄電システムの3代目モデルで、累計1万台の導入実績を基に開発した(関連記事)。電池容量は2代目の「POWER YIILE PLUS」と同じく2.5kWh(キロワット時)だが、出力は従来の1.0kVA(キロボルトアンペア)/kW(キロワット)から、1.5kVA/1.4kWに高出力化を図っている。
製品本体の大きさは320×585×514ミリメートルで、重量は52キログラム。従来製品より全体で約20%小型・軽量化。直流充電を可能とし、太陽光パネルから直接充電できる他、有線LANを通じてインターネットに接続することができることが特徴である。
この通信機能を利用したサービスが「エリークラウド」である。新サービス「エリークラウド」は、初代モデルから搭載している遠隔監視機能「ごあんしんサービス」を基に、スマートフォンやタブレットから簡単に蓄電システムのモード変更などの操作、蓄電率、電力履歴などの確認を行うことができる(図2)。
現状では遠隔監視や一部制御の役割を担うだけだが、エリーパワーではこのエリークラウドをエネルギー情報の制御基盤として活用していく方針。将来的には、バーチャルパワープラント(以下、VPP)などを同基盤によって実現していく計画だという。
図2 遠隔監視機能における蓄電率や自給率のイメージ画面(クリックで拡大)出典:エリーパワー
- 室内を走る蓄電池、太陽光から直流充電できて家電も動く
エリーパワーは室内用可搬型蓄電システムの新製品「POWER YIILE 3(パワーイレ・スリー)」を開発した。電池容量2.5kWhのリチウムイオン電池で、先代製品より小型しながらも総合効率を40%改善している。オフィスや自治体でのBCP対策の他、家庭でのピークシフト対策や非常用電源として活用できる。太陽光発電設備からの直流電力もそのまま充電できる。
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新エネルギー・産業技術総合開発機構と京都大学は2016年3月28日、「リザーバ型」と呼ぶ革新型蓄電池の研究成果を3つ発表した。既存のリチウムイオン蓄電池を改善するだけでは、ガソリン車並の走行距離が可能な電気自動車の実現には至らず、リザーバ型が必要になるという。
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