アップルが“再生可能エネルギー100%クラブ”へ、部品メーカーにも要求自然エネルギー(1/2 ページ)

アップルは2016年9月19日、企業活動に対する再生可能エネルギーの利用率100%を目指す企業組織「RE100」に参加することを発表した。

» 2016年09月21日 09時00分 公開
[三島一孝スマートジャパン]

 米国Apple(アップル)は2016年9月19日(現地時間)、事業活動の電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを目指す「RE100」に参加したことを発表した。米国ニューヨーク市の「Climate Week」の場で、アップルの環境、政策、社会イニシアチブ担当のバイスプレジデントであるリサ・ジャクソン(Lisa Jackson)氏が明らかにした(図1)。

photo 図1 アップルの再生可能エネルギーの活用拡大は世界中のサプライヤーにも及ぶ(クリックで拡大)出典:アップル

 「RE100」は、2014年に設立された100%再生可能エネルギーを使うことを目指すグローバル企業による組織である。全世界のエネルギー消費の半分は民間業務部門が占めており、このエネルギー需要を再生可能エネルギーに置き換えることで、世界のエネルギー市場への転換を加速し、低炭素経済への移行を支援することを目指している。

 「RE100」では、再生可能エネルギー100%を実現するための取り組みを公開することで、実現への課題に対処し、外部の協力などを有効に活用していくことを目指すものだ。気候変動対策に対する公表を求める機関投資家の連携プロジェクトである「CDP(カーボンディスクロージャープロジェクト)」とも連携しており、徐々に影響力を強めている。現在は米国、欧州だけでなく、中国やインドなどの企業が参加し、現在は50社以上の加盟企業で、再生可能エネルギーの活用比率拡大に取り組んでいる。

既に再生可能エネルギー100%を目標としてきたアップル

 データセンターなどに対する膨大な電力消費が環境に与える不安から、全世界的にIT(情報技術)企業に対する環境への取り組み強化を求める声が強まっているが、アップルでは、これらの流れにいち早く対応し、事業活動における再生可能エネルギー比率100%を目指すことを宣言。毎年4月22日の「アースデイ」近辺では環境への取り組みの一環として再生可能エネルギー比率の発表を行っている(関連記事)。

 アップルによると既に米国、中国などの21カ国において再生可能エネルギー100%の事業運営を実現しているという。さらに、2015年は全世界の合計でも93%の活用率を実現しているという。

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