太陽光発電の入札は2017年10月めどに実施、2MW以上の設備を対象に自然エネルギー

2017年度から太陽光発電を対象に実施する入札制度の大枠が固まった。政府は2017年10月をめどに初回の入札を実施した後に、2018年度には2回の入札を実施する方針だ。合計3回分の入札条件を一括に決定する方式が有力で、入札量や入札価格の上限を含めて2017年3月までに詳細を確定させる。

» 2016年10月24日 15時00分 公開
[石田雅也スマートジャパン]

 固定価格買取制度による毎年度の買取価格を検討する「調達価格等算定委員会」は太陽光発電の入札制度について、当初2年間の実施方法を10月24日の会合で確認した。2017年度と2018年度で合計3回の入札を実施して、導入効果を見極めながら2019年度以降の入札制度に反映させる。

 2017年度に実施する固定価格買取制度の改正の中で、事業用の太陽光発電の認定方法に入札制度を導入することが決まっている(図1)。当初は送電端の出力が2MW(メガワット)以上の発電設備に限定して入札を実施する方針だ。送電する出力が2MW以上になると特別高圧(7000ボルト超)の送電線に接続する必要があるため、大規模な発電設備に限られる。

図1 電源別の買取価格と価格決定の方針(画像をクリックすると全体を表示)。出典:資源エネルギー庁

 委員会の事務局を務める資源エネルギー庁の素案では、第1回目の入札を2017年10月をめどに実施した後に、第2回目を2018年の夏(7〜8月)に、第3回目を2018年12月までに実施する予定だ。この3回分の入札量や入札価格の上限をあらかじめ一括に決めたうえで、入札結果をもとに2018年度と2019年度に認定する大規模な太陽光発電設備を確定させる。

 入札価格の決定方式には2種類ある。事業者が応札した価格の中から低い順に確定させていく「ペイ・アズ・ビッド(pay-as-bid)」と、全体の入札結果から共通の買取価格を決める「ユニフォーム・プライシング(uniform pricing)」で、欧米の先進国ではどちらかを採用している。日本では「ペイ・アズ・ビッド」を採用する案が有力だ。

 このほかにも入札制度を実施するうえで詳細な実施要件を決める必要がある(図2)。買取期間(調達期間)を現行の制度と同様に20年間にするのか、認定から運転開始までの期限を太陽光発電の要件である3年に統一するのか、といった点を委員会で議論して決めていく。さらに落札した事業者に保証金の納付を求める方法についても検討する。

図2 入札制度の実施イメージ(画像をクリックすると全体を表示)。出典:資源エネルギー庁

 再生可能エネルギーの入札制度で最もむずかしい点は、入札量と入札価格の上限の設定である。今後の太陽光発電の導入量を正確に見通したうえで、適正な入札量と価格の上限を決めなくてはならない。政府は大規模な太陽光発電の導入量を抑えたい意向もあり、低めの入札量と上限価格を設定する可能性がある。そうなると発電事業者の意欲を損ねて、太陽光発電そのものにブレーキがかかる懸念も生じる。

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