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» 2016年10月26日 11時00分 UPDATE

省エネ機器:火力発電タービンから断熱窓まで高性能に、省エネ技術開発テーマを採択 (1/2)

NEDOではさまざまな省エネに貢献する新技術の開発を支援する「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」を実施している。このほど28年度の採択結果が発表され9件のテーマが選ばれた。自動車分野から火力発電、エレクトロニクスまで、さまざまな分野の新しい省エネ技術の開発を推進する。

[陰山遼将,スマートジャパン]

 新エネルギー・産業技術総合開発機構は2016年10月24日、平成28年(2016)年度「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」における新規技術開発テーマの第1回公募結果を発表した。審査の結果、9件の技術開発テーマが採択されている。

 同プログラムは日本のさまざまな産業の省エネおよび循環型社会の実現に貢献する新技術の開発支援を目的としている。政府が掲げる「省エネルギー技術戦略」において、重要技術に指定されている領域を中心に、特に高い省エネルギー効果が見込まれる技術を事業化まで支援するのが特徴だ。今回の公募では68件の応募があった。

 採択された9件のうち、開発や導入シナリオの策定などを行う段階である「インキュベーション研究開発」には3件が選ばれた。「革新省エネルギー軟包装印刷システムの開発」(東レ)、「酸素欠損を制御したWO3ナノ粒子酸化物半導体を用いた超急速充放電二次電池の開発」(東芝マテリアル)、「コランダム構造酸化ガリウムα-Ga2O3を用いた600V耐圧SBDの開発」(FLOSFIA)の3件だ。

 東レが取り組むのは、パッケージなどの軟包装印刷で主流となっているグラビア印刷に変わる新しい省エネ印刷システムの開発だ。LED-UVによる乾燥方式を組み合わせた、水なし印刷システムの実現を目指し、それに必要なインキや関連機器を開発する。実現すれば、グラビア印刷比で83%の省エネが図れるという。

 東芝は自動車や建設機械の燃費改善への貢献を目的に、エネルギー回生システムの効率向上に寄与できる急速充放電特性を持った新型蓄電池の開発を目指す。高い電子伝導性を有する酸化タングステンナノ粒子を蓄電デバイスの電極に適用し、エネルギー密度の増大や耐久性向上を図るとともにセル開発を進める。実現すれば車両の減速時などに放出されるエネルギーを、再び電力として利用するエネルギー回生システムの効率向上に寄与し、現状のエネルギー回生搭載車の燃費を3%、ディーゼルエンジンを利用する建設機械では25%改善できる見込みだという(図1)。

図1 開発する蓄電池の適用イメージ 出典:NEDO

 FLOSFIAはACアダプタなどの家電や太陽光発電用のパワーコンディショナーなどにおいて、電源システムの省エネに貢献する低価格なショョットキーバリアダイオード(SBD)の開発を目指す。SBDの低価格化を図るとともに、量産への適用が可能な4インチプロセスを開発し、600V耐圧10AのSBDを開発する計画だ。

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