ラテンアメリカとカリブ海諸国は、規模拡大において踊り場にいる。クリーンエネルギーに対する野心的な要求と積極的なオークションによって、風力や太陽光の電力価格を記録的な水準まで下げ続けることには成功し、規模も拡大している(図8)。ただし、ラテンアメリカに対する投資は、2015年に219億ドルに達したものの、2014年と比較して15億ドル減少してしまった。
この結果、全発電容量に対する再生可能エネルギーの比率が20%を超える国々も現れ始めた(図9)。2010年時点でほとんど導入が進んでいなかった国々にも再生可能エネルギーが広がっている。
今回の報告書で特筆すべきなのは、ラテンアメリカ域内の勢力地図が書き換わったことだ。常に域内の首位を占めていたブラジルが2位に転落したのだ。ブラジルのクリーンエネルギー指数は昨年版よりも高くなっている。しかし他のラテンアメリカ諸国の方が上昇ペースは速かった。首位を占めたのはチリ。同国に対する投資額は2014年の13億ドルから2015年には32億ドルに急増した。なお、ラテンアメリカ3位は、ウルグアイが占めた。
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