ここまで説明なくクリーンエネルギー指数を紹介してきた。同指数はClimatescopeが算出した数値だ。4つの評価分野、47の指標から1つの値を求めた。最後にクリーンエネルギー指数に基づいて各国の状況を紹介する。
指数の評価分野は順に、(1)再生可能エネルギー導入に必要な枠組み(合計22指標、クリーンエネルギー指数を算出する際の重み付け40%)、(2)再生可能エネルギー開発に必要な金融と投資(9指標、30%)、(3)再生可能ネルギーを利用した発電設備を作り上げる際のバリューチェーンの状況(3指標、15%)、(4)温室効果ガスに対する管理活動(13指標、15%)である。枠組みと投資の2分野で70%の重み付けがある形だ。
47の指標は全て、0.0から5.0までの数値で表す。重み付け平均値を計算することで、各国の総合的な指数が求まる。
58カ国全てをまとめると、総合的な指数の平均値は2015年版の1.14から、今回1.35に上昇。状況が改善されている。総合指数が2.0以上の国は、前回2カ国(中国、ブラジル)だけだったが、今回は10に急増した。10カ国の位置は冒頭の図1に示してある。中国やチリ、ホンジュラス、ケニア、メキシコ、ウルグアイに特に勢いがある。
Climatescopeが最も高く評価する分野が、再生可能エネルギー導入に必要な枠組みだ。再生可能エネルギーに対する国の政策や電力部門の構造、市場占有率、導入のコスト優位性、市場の将来規模見通しを評価するものである。
この指標で2.0以上を得た国は、南米のウルグアイ(2.55)、アフリカのルワンダ、中米のパナマ、中東のヨルダン、南米のブラジル、中米のグアテマラだった。最も数値が低かったのは南米のベネズエラ(0.44)。
各国の状況をうまく反映した数値の1つが、大規模太陽光や風力の競争入札における最低価格だろう(図10)。太陽光ではチリの1メガワット時当たり29.1ドル、風力ではモロッコの同30ドルという数字を読み取ることができる。
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