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» 2017年02月01日 09時00分 UPDATE

動き出す電力システム改革(80):スマートメーターが全国で2000万台を突破、電力の自動検針が進む (1/2)

電力の使用量を30分ごとに自動計測するスマートメーターが全国に普及してきた。設置台数は合計で2300万台を超えて普及率は3割に達している。関西では5割以上の家庭に導入を完了した。スマートメーターは電力の購入先を変更する場合に必要で、使用量に基づく生活支援サービスも可能になる。

[石田雅也,スマートジャパン]

第79回:「電気料金は新電力が安い、標準家庭で月額300円以上」

 小売の全面自由化で電力の利用方法が大きく変わる要因の1つはスマートメーターだ。従来は電力会社の検針員が月に1回の頻度で現地に出向いて目視で使用量を調べていた。新たに導入するスマートメーターは各家庭の使用量を30分ごとに計測して、無線ネットワークで電力会社のシステムにデータを送る仕組みになっている(図1)。

図1 スマートメーターの外観と機能(メーカーによって外観は違う、画像をクリックすると従来型のメーターも表示)。出典:電力・ガス取引監視等委員会

 需要家が電力の購入先を変更した場合でも、電力会社から新電力へスマートメーターのデータを送ることによって毎月の電気料金を迅速に計算できる。小売の全面自由化を推進するうえでスマートメーターは不可欠である。

 全国各地の家庭や商店にスマートメーターを設置する作業は電力会社の送配電部門が担当している。全面自由化から8カ月を経過した2016年11月末の時点で、全国10地域の電力会社が設置したスマートメーターの台数は2320万台にのぼった(図2)。普及率は3割に達している。

図2 スマートメーターの導入状況(低圧、2016年11月末時点)。出典:電力・ガス取引監視等委員会

 特に関西電力は他社に先がけて2012年からスマートメーターの設置を開始して、すでに普及率は5割を超えた(図3)。導入台数では東京電力が863万台で最も多く、2020年度末までに2700万台の設置を完了する予定だ。最も遅い沖縄電力が2024年度末に導入を完了すると、全国の7800万にのぼる家庭や商店すべてにスマートメーターが普及する。

図3 地域別の普及率(2016年11月末時点)。出典:電力・ガス取引監視等委員会

 電力の自由化で先行した欧米では、スウェーデンやイタリアなどはスマートメーターの普及率が100%近くに達している(図4)。アメリカは40%強で、日本よりも少し進んでいる。一方でイギリスが数%にとどまるほか、フランスやドイツではスマートメーターがほとんど使われていない。各国でスマートメーターを促進する動きはあるものの、費用対効果やプライバシー保護の問題などから普及していない状況だ

図4 世界各国のスマートメーター導入率(画像をクリックすると導入率がゼロの国も表示)。アメリカは2016年、そのほかは2014年。出典:電力・ガス取引監視等委員会
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