GDPが伸びるにもかかわらず、エネルギー需要がそれほど伸びない。なぜか。ある量のモノやカネを生みだすために必要なエネルギーの量が減るからだ。これをエネルギー原単位(energy intensity)が減少するという。
OECD諸国のエネルギー消費はピークに達してわずかに下がっていく(図4)。中国も2025年には頭打ちになる。
化石燃料が一次エネルギー供給に占める比率は2015年時点で85%。これが2035年には約4分の3にまで下がる。天然ガスの年成長率は1.6%と高いが、石油は0.7%、石炭は0.2%にとどまる。石炭は過去20年間、年成長率2.7%で推移してきた。石炭の時代は天然ガスの時代に取って代わられる。
再生可能エネルギーの年成長率は7.1%と高く、一次エネルギーに占める割合は2035年に10%に達する(2015年には3%)。以上の状況は冒頭の図1で示した通りだ。
図5にあるように、2035年までの天然ガスの成長を引っ張るのは米国を中心としたシェールガスだ。従来のガスも3つの地域で増えるものの、シェールガスの伸びが著しい。
LNG市場の構造は急速に変化していく。供給面ではゼロから始まった米国市場が2035年には日産190億立方フィート(19Bcf/d)に成長(図6)。最大の供給源となる。これに次ぐのがオーストラリアの130億立方フィートだ。
需要面ではアジアが市場を圧倒する。中国と中東だ。アジア以外では米国である。
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