京都府の南部に位置する木津川市で、省電力化や防犯対策を目的とした“街灯のスマート化”プロジェクトが2017年6月1日に始まった。シスコシステムズと晶和クリエイションによる実証である。
京都府の南部に位置する木津川市で、省電力化や防犯対策を目的とした“街灯のスマート化”が2017年6月1日に始まった。シスコシステムズ(以下、シスコ)と晶和クリエイションによる実証で、同年9月30日まで実施される。
シスコの担当者によると、実証で導入するソリューションは「スマートライティング」「ビデオサーベイランスマネジャー(VSM)」「コネクテッド デジタル プラットフォーム(CDP)」と今後追加される「通行状況分析システム」の4つで構成されている。
スマートライティングでは、街灯のLED化とネットワーク化が行われた。LED化で電力利用量の削減を図るとともに、ネットワーク化することで遠隔で状態を監視し、従来は通報や見回りでしか発見できなかった故障の早期検知ができる。街灯1本1本における点灯の遠隔操作や日没、日の出の時間に合わせた点灯の設定なども可能だ。
実証では水銀灯200W品を50WのLED、水銀灯100W品を30WのLEDに変更。計23台の街灯が対象で、それぞれに街灯の状態や点灯設定情報を送受信するノードを内蔵した。同社の担当者は「街灯の下部に形状を問わず、美観を損なわずに設置できる」と語る。万が一、ノードやゲートウェイが故障した場合は、照明が100%点灯する仕組みという。
また撮影した映像をネットワークで送信可能な防犯カメラも設置。事件事故発生時に映像データをすぐに確認可能なため、状況確認の初動時間を短縮できる。
映像を表示するVSMでは、同時に複数台の映像を一画面に表示することや、指定時間に一斉に巻き戻した視聴を可能とする。リアルタイムの映像確認もできるが、プライバシーの観点から条例で禁止されており、システムに組み込んでいないという。
CDPはスマートライティングや通行情報分析システムを、一元表示可能なプラットフォームだ。街灯の位置や通行状況の分析結果を表示し、直感的な操作で制御できる。
今後追加される通行状況分析システムにより、時間帯別の通行量データに基づく照明点灯時間や照度の設定など、ビッグデータを活用した検証も可能となっている。同システムでは、設置した防犯カメラの映像をソフトウェアで分析する。人や自転車などが、どの時間帯にどのくらい、どの方向に移動したかをデータ化してくれる。
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