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» 2017年11月20日 07時00分 公開

自然エネルギー:潮流発電に2枚羽の新方式、想定を上回る発電効率43.1%を達成

潮の流れを利用して発電を行う潮流発電。NEDOプロジェクトで、2枚のプロペラが逆回転して効率良く発電する新しい発電機の開発が進行中だ。10月に長崎湾で実施した試験では、想定を上回る43.1%の発電効率を達成した。

[陰山遼将,スマートジャパン]

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、協和コンサルタンツ、アイム電機工業、前田建設工業、九州工業大学、早稲田大学は「相反転プロペラ式」の潮流発電技術を開発したと発表した。2017年10月17〜20日に長崎湾沖において、実用化時の想定実機の7分の1スケールモデルを用いた曳航(えいこう)試験を実施し、設計した発電効率を上回る43.1%の発電効率を確認したという。

開発した潮流発電装置 出典:NEDO

 相反点プロペラ式は、たがいに逆方向に回転する2段のプロペラを用いて発電を行う方式。従来のプロペラ式発電では、1段のプロペラで内軸磁石を回転させ、外側コイルは固定されている。一方、相反転方式では、潮流を受けた前後2段のプロペラが外側コイルと内軸磁石を逆方向に回転させる。これによって、磁界を切る相対速度が増加するため、高い発電効率が期待できるとともに、同じ発電量の装置と比較して小型化が可能になるという。

 さらに、起電圧が高くなるため、送電ロスや電力制御機器の容量が軽減できる利点もある他、発電機に発生する回転トルクが逆回転により相殺されるため、外部への反作用がなくなることで支持構造を簡素化することができ、設置費用の削減も期待できるとしている。

「相反転プロペラ式」の概要 出典:NEDO

 2017年10月17〜20日に、長崎県伊王島から沖に約2kmの地点で、実用化時に想定される実機の7分の1スケールモデルを利用した曳航試験が実施された。発電装置を台船の船尾から深さ3.5mの位置に設置し、タグボートで曳航することによって実海域の環境下での潮流を模擬した。その結果、前後2段プロペラの回転の安定性、イーグル工業が開発したメカニカルシールによる防水性能などを確認し、実海域における装置の安全性を確認できたという。

7分の1スケールモデルの概要 出典:NEDO

 発電出力については、流速2m/sにおいて定格発電出力が1.38kWであるところ、試験時の流速1.3m/sの条件で、379Wの出力を確認できた。この発電出力は発電効率43.1%に相当し、設計した発電効率42%を上回る。これをプロペラ直径7mの実用化機に置き換えた場合、流速4m/sで、543.6kWの出力が期待できるという。

 今後は今回の曳航試験で得られたデータをもとに、数値シミュレーションを行い、流向も含めて周期的に変化する実際の海洋環境下での運転を模擬し、発電コストの試算を行う予定だ。

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