楽天イーグルスの本拠地、太陽光で作るCO2フリー水素を活用蓄電・発電機器

プロ野球、東北楽天ゴールデンイーグルスの本拠地である「楽天生命パーク宮城」で、東芝の自立型水素エネルギー供給システム「H2One」が稼働を開始。球場内のデジタルサイネージや地域ラジオ局に電力を供給する。【訂正あり】

» 2018年04月04日 07時00分 公開
[長町基スマートジャパン]

 東芝エネルギーシステムが宮城県に納入した自立型水素エネルギー供給システム「H2One」が、このほどプロ野球、東北楽天ゴールデンイーグルスの本拠地である「楽天生命パーク宮城」(仙台市、宮城野原公園総合運動場内)内で運転を開始した。

「楽天生命パーク宮城」に導入した自立型水素エネルギー供給システム「H2One」 出典:東芝エネルギーシステムズ

 H2Oneは、太陽光により発電した電力を水素に変換してタンクに貯め、その水素を用いて純水素燃料電池により自給自足で電力を供給するCO2フリーの発電システム。平常時には、天候にかかわらず球場内のデジタルサイネージや地域ラジオ局「Rakuten.FM TOHOKU」に電力を供給する。非常時にライフラインが寸断された場合でも、貯蔵した水素で発電し、地域ラジオ局やサイネージによる災害情報の発信や避難誘導用の照明、避難者の携帯電話などの充電用電源として利用することができる。手洗い用として温水も供給する。

 今回導入したH2Oneは、水素をコンパクトに貯蔵できる水素吸蔵合金タンクの採用などにより、構成機器をコンテナ1台に格納。従来20フィートコンテナ3台に格納していた機器を1台に格納したため、省スペース化を実現し、最小限の配管工事で設置が可能となった。

 同社は、東北地方で、東北電力向けにH2Oneを納入しているほか、福島県浪江町を実証エリアとして新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の公募事業「水素社会構築技術開発事業/水素エネルギーシステム技術開発/再エネ利用水素システムの事業モデル構築と大規模実証に係る技術開発」では、1万kW級の水素製造装置を備えた水素エネルギーシステムを構築する再生可能エネルギー利用水素プロジェクトに参画している。

【訂正:掲載当初、タイトルの一部に誤りがありました。現在は修正しております。お詫びして訂正します(2018年4月4日午後9時10分)】

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.