JR西日本は7月から、鉄道設備のメンテナンスに人型ロボットを導入した。ロボットの上半身は人型で、下半身はアーム経由でトラックにつながっている形状。このロボットを導入することで、工事時の作業員の安全性や生産性の向上、人材不足改善などの効果を狙う。
このロボットは主に4つの重機で構成。鉄道工事用車両の荷台部分に操縦室を構え、さらにそこから「ブーム」というクレーン部分があり、その先に人型ロボットが取り付けられている。遠隔操作で最大40kgの荷物を持つことができ、最大12mの高所での作業も可能という。
操縦者はヘッドマウントディスプレイ(HMD)を付けており、ロボット頭部のカメラの映像がHMDに映し出される他、首の動きがロボットと連動する仕組みだ。ロボットの腕部分は操縦かんで操作でき、ロボットの腕部分で受けた力は操作かんにも伝わるという。JR西は「人の操作とロボットの動きが連動し、フィードバックも受けるので、直感的な操作が可能」と説明している。
他にも人型ロボットには、切断ツールや塗装ツールなどさまざまな装備を腕部分に取り付けることが可能。作業内容によってツールを変更することで作業の効率化を図る。当面は、架線支持物の塗装作業や邪魔な樹木の伐採作業などで運用していく方針。
人型ロボットが動く様子は、JR西のYouTubeチャンネルにて公開している「社長会見動画(2024年6月)」で確認可能だ。会見に出席した長谷川一明社長は「まずは鉄道分野での実用化を進める」とし「ゆくゆくはインフラメンテナンスの機械化に貢献したい」と説明。トンネル点検や交通信号機の取り換え作業などを例に挙げた。
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