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一反木綿みたいなロボット「零式人機ver.2.0」、高所の危険な作業を人の代わりに2022国際ロボット展

» 2022年03月11日 16時44分 公開
[ITmedia]

 人機一体(滋賀県草津市)は、開発中の高所作業用ロボット「零式人機ver.2.0」を東京ビッグサイトで開催している「2022国際ロボット展」で披露した。高所作業車のアーム(ブーム)の先端にロボットの上半身が載った形状で、高架に向けて延びる様子が「一反木綿みたい」などと注目を集めている。

「零式人機ver.2.0」

 零式人機ver.2.0は2本の腕と頭を持つ上半身だけのロボット。高所作業車のブームに取り付け、線路の高架など高い場所の作業を人の代わりに行う。

 操縦はマスター/スレーブ方式。オペレーターの力を数倍に増幅させてロボットを動かす。オペレーターはロボットの頭にある2つのカメラが捉えた視界をVRゴーグルで確認しながら操作できる。

 人機一体は「零式人機はオペレーターが安全な場所からの操作で作業を代替できる。労働災害のリスクを減らし、不足している労働力を補える」としている。

両手の協調作業も行える
安全な場所にある操縦席

 デモンストレーションでは金属の長尺パイプを片手で持ち上げ、両手に持ち替える動作なども披露。全関節にトルクセンサーを内蔵することで従来は難しかった両手の協調作業も容易にした。

 人機一体は、立命館大学ロボティクス学科の教員だった金岡博士社長が、ロボット技術の社会実装を目指して設立したベンチャー企業。ロボットを製造/販売するのではなく、技術を知的財産として扱い、ユーザー企業と共同でニーズに合わせたロボットを開発するビジネスモデルを構築した。

 高所作業用の零式人機ver.2.0は、鉄道工事を行うJR西日本、日本信号との共同プロジェクト。日本信号は「ロボットの活用で鉄道メンテナンスの効率と安全性が向上する」と期待を寄せている。

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