米Appleは10月28日(現地時間)、iPhone・iPad・Mac向けの生成AI機能「Apple Intelligence」の提供を開始した。各OS向けに無料のソフトウェアアップデートを配信しており、英語で利用可能。日本語には未対応だが、デバイスとSiriの言語を「英語(米国)」に設定すれば日本でも英語での利用はできる。
対応端末は、iPhone 16シリーズ、iPhone 15 Pro/Pro Max、A17 ProまたはM1以降を搭載したiPad、M1以降を搭載したMac。
まずは(1)作文ツール、(2)Siriの改善、(3)写真アプリの改善、(4)メール機能の改善、(5)メモ・電話アプリ、通知の要約機能など──を提供。順次既存機能の強化や新機能の提供を進める。
作文ツールでは、各アプリでの文章入力にAIによる校正・要約機能を追加。一度書いた文章の言葉使いや雰囲気をAIによって変更したり、箇条書きや表形式で要約したりできる。
Siriにも生成AIを導入し、より文脈に即したコミュニケーションを可能にしたという。写真アプリでは、画像やビデオの検索をAIによって強化。目当てのファイルを文字での検索で探せるようにした。さらに、写真に写り込んだ不要な要素を削除できる「クリーンアップツール」や、プロンプトを基に既存の写真や動画を組み合わせる「メモリー機能」も追加した。
メール機能も強化し、緊急性の高いメールなどを独自に判断して優先表示したり、本文を開かなくても要約を確認したりできる機能を追加した。メール内の質問を検出し、回答案を提案する「スマートリプライ」機能も使えるようにした。
さらに通知の要約機能も搭載した他、電話を録音・文字起こし・要約し、メモアプリに記録することも可能にした。
「Apple Intelligence」の処理はデバイス上で行われるが、より処理能力が求められるときはクラウドを活用する場合もある。その場合、ローカルと同様のプライバシー保護を適用する「プライベートクラウドコンピューティング」により、セキュリティを保つという。プライベートクラウドコンピューティングを使う場合、ユーザーのデータをAppleが保存・共有することはないとしている。
Apple IntelligenceはChatGPTを利用するが、米OpenAIがユーザーのリクエストを保存することはないとしている。ただし自分のChatGPTアカウントとの連携を行った場合は、OpenAIのポリシーが適用されるという。
12月には作文ツールやSiriをさらに強化する他、重要度の高い通知を優先的に表示する機能も追加する予定。iPhone 16シリーズ共通機能「カメラコントロール」を起点とした、視覚情報の活用も可能にする。画像生成機能「Image Playground」なども今後数カ月で提供すると予告した。
Apple Intelligenceの日本語対応は2025年になる予定。
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