米Googleは12月16日(現地時間)、動画生成AI「Veo 2」を発表した。最大4Kの解像度で数分尺の動画を作成できる。米Metaのベンチマーク「MovieGenBench」で他の動画生成AIと性能を比べたところ、米OpenAIの動画生成AI「Sora Turbo」などよりも高い性能を記録したとしている。
GoogleはVeo 2について「単純な指示から複雑な指示まで忠実に実行でき、現実世界の物理現象や幅広いビジュアルスタイルを忠実にシミュレートする」と説明。Veo 2は物理学や人間の動きと表情のニュアンスなどを理解しており、他の動画生成AIよりも現実を忠実に再現できるとアピールしている。
「動画生成AIでは余分な指や予期せぬ物体など、不要な情報が『幻覚』として現れることがよくあるが、Veo 2ではこうした現象が起こる頻度が低く、より現実的な出力が得られる」(Google)
一方、複雑なシーンでの複雑な動きについては、一貫性を維持するのは依然として課題があるとも説明。今後も性能アップに努めていくとしている。なお、Veo 2が生成した動画には目に見えない透かしが含まれており、AI生成であることを識別できるという。
Veo 2は、YouTubeやAI開発プラットフォーム「Vertex AI」、AI動画作成ツール「VideoFX」などで徐々に展開していく予定。まずは同日から、VideoFXにVeo 2の機能を導入する。利用できるユーザー数は徐々に拡大していくとしており、利用にはウェイティングリストへの申し込みが必要だ。2025年にはYouTube Shortsやその他の製品にもVeo 2を導入するという。
Googleは他にも、画像生成AI「Imagen 3」のAIモデルも改良したと発表。より明るく、より優れた構成の画像を生成できるようになった。改良したAIモデル「Imagen3-002」は、ベンチマーク「GenAI-Bench」による比較では、他の画像生成AIよりも高い性能を記録したとしている。
Imagen3-002は同日から、AI画像生成ツール「ImageFX」で展開する。
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