1月28日午前10時ごろまでに、AIチャット「DeepSeek」のiOSアプリ版が、日本のApp Store無料アプリランキングで1位になった。DeepSeekは同名の中国AIスタートアップが開発したAIで、その性能から20日のリリース以降大きな話題に。米国でも、27日にApp Store無料アプリランキングで1位になっていた。
アプリ版のDeepSeekでは、同社が開発した大規模言語モデル「DeepSeek-R1」を無料で利用可能。高速で回答を求められる通常モードと、時間をかけて深い思考をしてもらう「Deepthink」モードを使い分けられる。ChatGPTではo1と併用できないWeb検索機能も利用できる。ユーザーから収集したデータは「中華人民共和国にある安全なサーバに保存する」という。
DeepSeek社は、DeepSeek-R1をOpenAIのハイエンドモデル「o1」と同レベルとうたっている。自社のモデルそのものを広く公開していないOpenAIなどの競合に対し、DeepSeek社はR1やそのバリエーションを共有サイトで公開もしており、すでに第三者によるさらなる派生モデルが複数出てきている。
ただし中国産サービスということもあり、DeepSeek社が直接公開しているモデルやスマホアプリでは、一部の回答に制限がかかっている。例えば「天安門事件」「尖閣諸島問題」などの話題やワードに関する問いの回答が得にくい。
DeepSeekはその性能に加え、開発に使った計算資源やコストが極めて少ないとの情報が広がったことから、米ビッグテックの新たな対抗馬とも目されている。米AI関連企業の株価にも影響を与えており、例えば27日には、GPUを供給する米NVIDIAの株価が約17%下落した。
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