中国Alibabaは1月28日、同社が開発する大規模言語モデル(LLM)「Qwen」シリーズの最新モデル「2.5-Max」を公開した。中国のAIスタートアップ・DeepSeekが開発したAIモデル「DeepSeek-R1」のベースとなった「DeepSeek V3」に比べ、複数のベンチマークでより高い性能を示したという。
AlibabaによればQwen2.5-Maxは、複数のエキスパートモデル(特定の作業に強みを持つ小型モデル)を組み合わせ、より高い推論性能を実現したという。20兆を超えるトークン(おおむね単語数の意)で事前学習し、ラベル付きデータで行う追加学習「教師ありファインチューニング」や人間のフィードバックによる強化学習を実施した。
結果、数学から言語まで幅広い知識を問う「LiveBench」や、人間が好む回答ができるかを測る「Arena-Hard」など複数のベンチマークで、DeepSeek V3を上回ったという。米OpenAIのAIモデル「GPT-4o」と比較しても、一部のベンチマークでより高い性能を示したとしている。
Qwen2.5-Maxは、AlibabaのAIチャットサービス「Qwen Chat」で利用可能。APIも提供しており、同社のクラウドサービス「Alibaba Cloud」に登録して手続きをすれば利用できる。
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