アイティメディアが2月18日に開催したオンラインイベント「ITmedia AI+ Boost」で、Preferred Networks(PFN)の代表取締役 最高研究責任者である岡野原大輔さんが基調講演を行った。
岡野原さんは日本語に強みを持つ大規模言語モデル(LLM)「PLaMo」シリーズの最新研究成果と、26年に提供を予定している生成AI専用半導体「MN-Core L1000」について紹介。また、ChatGPTやClaudeなどが世界をリードする中でも、国産AIの存在感を高める方策を示した。
LLMは、人間のように文章を生成したり、複雑な質問に回答したり、プログラミングコードまで作成できるAI技術だ。ChatGPTの登場からおよそ2年がたったが、その性能は今も目覚ましいペースで向上している。
こうしたAIの性能を比較するオープンプラットフォーム「Chatbot Arena」では、2つのモデルに同じ質問を投げ、人間がより優れた答えを選ぶ形式で評価を行っている。過去1年間でトップモデルのスコアは約100ポイント上昇したという。
岡野原さんは「24年のトップモデルと25年のトップモデルを3回比較すると、2回は25年のモデルが良いと判断されるほどの進化だ」と説明する。毎年少しずつではなく、体感で分かるほどの性能差が出るペースで、AIは成長しているようだ。
特に注目すべきは、同レベルの性能を得るためのコストが大幅に下がっている点だ。GPT-4 turboで約75万文字(100万トークン)を処理するには30ドル(約4500円)かかっていたが、同等の性能を持つGPT-4o miniでは0.075ドル(約11円)にまで下がっているという。
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