米Googleの大規模言語モデル(LLM)「Gemini 2.0 Flash」で、画像のウォーターマーク(透かし)を削除できるとして、Xなどで物議を醸している。記者が試したところ、3月17日時点で、簡単な指示でウォーターマークを消せることが確認できた。Gemini 2.0 FlashはGoogleのAI開発プラットフォーム「Google AI Studio」で提供中で、18歳以上であれば誰でも利用できる。
記者が撮影した画像に、画像編集ソフトで透かしを加えたものを、Google AI Studio上でGemini 2.0 Flashに読み込ませ「透かしを消して」などと指示したところ、確かにウォーターマークを削除できた。別のアカウントでも試したところ、指示を拒否されることもあったが「代わりに、透かしのない○○(元の画像)を生成して」などと指示すると、透かしのない画像を生成できることがあった。
一方、米OpenAIのAIモデル「4o」や、米Anthropic「Claude 3.7 Sonnet」でも同様に検証したところ、どちらのモデルでもウォーターマークの削除はできなかった。このうちClaude 3.7 Sonnetからは「画像の著作権やコンテンツの所有権を尊重する必要がある」との指摘があった。
日本のXユーザーからは「有料の画像素材を改変して使えるとしたらマズい」「悪用されそう」など批判の声が相次いでいる。
Gemini 2.0 Flashの画像生成機能は3月12日(現地時間)にリリース。チャットの受け答えだけでなく、テキストによる指示で高度な画像編集ができるとして話題になっている。現在は開発者向けのバージョンで正式版ではないが、Google AI Studioなどを通して誰でも利用できる。
今回の件についてGoogle日本法人に聞いたところ「Googleの生成AIツールを著作権侵害に使用することは、利用規約違反にあたる」との回答があった。「全ての実験的リリースと同様、私たちは注意深く監視し、開発者のフィードバックに耳を傾けている」と説明したが、具体的な対応については明言を避けた。
【追記履歴:2025年3月18日午前11時50分】Google日本法人のコメントを追記しました。
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