プログラミングに憧れ続けてもう20年になる。
ITジャンルのライターとして、プログラミングはできたほうがいい……ずっとそう思っていたができなかった。本で学ぼうとしたが意味が分からず、講習会に参加しても自分だけついて行けずに脱落した。みじめだった。
そんな筆者が先日、Chrome拡張を作ってしまった。といっても自分は「こういう機能があればいいな」と日本語で書いただけ。プログラムはすべて生成AI(Claude Sonnet 4)が組んだ。だから、“自分で開発した”と言えるかは微妙だが、自分専用ツールが、わずか数十分で完成したことにびっくりした。
欲しいものを自分で作れる経験に感激するとともに、“非エンジニア開発”の限界も感じた。その顛末を紹介する。
きっかけは、愛用していた「Pocket」が終了するというニュースだ。Pocketは、気になるWebページを保存しておける「あとで読む」サービス。Chrome拡張のアイコンをワンクリックするだけでURLとタイトルが保存でき、記事のネタになりそうなURLを保存する目的で毎日使っていた。
代替といわれるサービスをいくつか試してみたものの微妙に違う。URLをワンクリックで保存し、あとで一覧する機能だけが欲しいのに、どれも不要な機能があり、使い心地が悪いのだ。
そんな時、「Claudeのプログラミング能力がすごい」といううわさを耳にした。「もしかして、AIでChrome拡張も作れちゃったりして? いやいやー? エンジニアがサポート的に使うならまだしも、私のようなド素人には無理でしょ?」……と思いつつ、一応Claudeに聞いてみた。
「Chrome拡張を作りたい。アクセスしたURLで、拡張をワンクリックするだけでURLとそのタイトルを保存してくれて、あとから一覧表示できるやつ。作れる? または既存のものである?」。
日本語も変なプロンプトだ。これをClaudeは理解してくれ、こう言った。
「はい、そのようなChrome拡張は作れます!」
「URLとタイトルを保存してブックマーク管理するような機能ですね。類似の機能を持つ拡張はいくつかありますが、シンプルにワンクリックでURL+タイトル保存というものは意外と少ないので、カスタムで作る価値があります。以下のファイル構成で作成できます」
Claudeはそのままコードを書き始め、気づいたらプログラムができていた。お願いしてから10分もかかっていない。
せっかく作ってくれたものの、拡張ファイルをChromeに導入する方法が分からない……と思っていたらClaudeは、インストール方法まで教えてくれていた。聞いてないのに。
生成された3つのファイルを同じフォルダに入れ、Chromeの設定画面からフォルダを選べばいいらしい。やってみたが、エラーが出て読み込めない。エラーメッセージをコピペしてClaudeに伝えると、光の速さで修正ファイルを作ってくれ、導入に成功。求めていたChrome拡張ができてしまった。
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