びっくりした。プログラミングの知識もChrome拡張の仕様もなにも分からない自分が、Chrome拡張を作れるという事実。「なるほど、Webエンジニアの方々は、こうやって自分用のツールを作って効率化していたんだ!」と感じ、ちょっとしたエンジニア気分も味わった。
それだけではない。Claudeは依頼していない機能まで追加してくれていた。URLの重複を防ぐ機能、不要になったURLを一気に削除する機能……「あった方が便利だろう」と判断してくれたようだ。確かに便利だし、必要だ。
かつて、優秀なエンジニアに開発をお願いした時のことを思いだした。こちらが要求仕様として言語化できていない「本当に欲しい機能」を推定し、頼まなくても実装してくれていた。これがAIに数分でできるなんて……空恐ろしくなった。
使ってみると、他にも機能がほしくなった。
URL保存時の出る確認用ポップアップは邪魔だし、保存したURLを一覧できるHTMLページがほしい。それぞれの機能追加をClaudeにまたお願いした。すぐにできた。
Claudeと相談しながら改良を重ね、理想のツールになるまで、1時間もかからなかった。エンジニアもこうやって試行錯誤しながら開発していくのだろう。改良の楽しさも知った。
理想の拡張が完成した! とホクホクして休憩に向かい、帰ってきて使おうとしたら……。動かない。なぜ。
改良する過程で、ファイルの保存場所を何度か変更したのだが、そのせいで古いファイルを読み込んだり、バージョンが混じってしまったのかもしれない……。ファイルの保存先を変えてみたりしたが改善しない。
そもそも自分で作ってないから。フォルダやファイルを開いても意味が分からず、何が悪いか完全に不明。お手上げだ。
プログラミング能力がない人が、AIに“丸投げ開発”するリスクは、すべてがブラックボックスになることだ。問題が起きた時、何がネックかを特定できず、対処しようがない。
解決方法は一つ。Claudeにお願いしてイチから作り直すことだ。
「さっき作ってもらったやつ、なんか変になっちゃたから、もう一回作りなおして!」なんて、人間のエンジニアに依頼したらブチ切れられるだろうが、AIは怒らないから安心だ。
Claudeにまた同じような依頼をし、同じ機能のツールを作り直した。だが作り始めに初回と同じバグが出た。AIモデルを「長考モード」に変えたせいか、デザインが初回と変わり、ゴテゴテしてしまった。初回のやつのほうがよかったなあ……。まあ、いいか。使えるし。またイチから作り直すのも面倒だし。
これがきっかけで、簡単なツールを“自己開発”することにハマった。
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