楽天グループの三木谷浩史代表は7月30日、横浜市で開催中の同社のAIに関する取り組みを紹介するイベント「Rakuten AI Optimism」の基調講演に登壇し、同社のAI戦略を語った。同日に提供を始めた“エージェント型”をうたうチャットAIサービス「Rakuten AI」に関する今後の構想などを明かした。
三木谷会長は講演で、楽天グループが目指すAIとして「最強のAI」を掲げた。背景にあるのは、近年のAI技術の発展と普及だ。
三木谷会長は「AIの世界では、3年ぐらいで起きると思っていたことが、3カ月ぐらいで起きる」と表現する。特に最近では、AIが人間の質問に答えるだけでなく、タスクを代行するエージェント機能を備えるようになっていると分析した。
加えて「2025年の6月末時点で(世界で)約12億人超の方がAIを利用している」と説明。「インターネットやスマホが普及したスピードに比べ、圧倒的なスピードで発展している」という。
一方、三木谷会長は、日本のAI活用は遅れていると指摘する。「米国を100とすると、日本のいわゆる“AI力”は20」と説明。現状では、欧州や中国、インド、韓国にも及ばないとの認識を示した。
こうした中で「すべての人に最強のAIを」をテーマに、楽天グループのAIデザインを刷新すると発表。「意識しないでも皆さんがAIを使える」環境の構築に取り組むとした。
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