ロボット開発企業の米Figureは8月12日(現地時間)、同社の人型ロボット「Figure 02」が洗濯物を畳む動画を公開した。タオルの山から1枚ずつタオルを取り出して畳み、バスケットに収納する姿が確認できる。同社が開発したロボット制御のためのAIモデル「Helix」によって自律的に動いているという。
Figure 02は、前モデル「Figure 01」の改良版で2024年8月に発表した人型ロボット。身長は約167cm、体重は約70kg。16自由度の手を持ち、6つのカメラを搭載している。本体には米NVIDIAのGPUを搭載しており、ロボット上で視覚言語モデル(VLM)による推論もできるという。
Helixは、25年2月に同社が公開したVLA(Vision-Language-Action )モデルで、知覚、言語理解、学習制御を統合している。頭部や胴体、手の指など人型ロボの上半身全体を制御でき、2台のロボットの同時操作も可能。遠隔操作に関するデータなどを含む約500時間のデータセットにより学習しており、省電力のGPUでも動くという。6月には、Helixの制御により、Figure 02が物流現場で荷物の向きを整える動画を公開していた。
同社によると、今回、洗濯物を畳むタスクを実行するにあたり、物流現場でFigure 02を制御したHelixを流用し、学習用データセットのみを追加。その結果、1)タオルの山からタオルを取り出す、2)初期設定に従って畳み方を調整する、3)間違えてタオルを複数枚取った場合、余分なタオルを戻す、4)親指でタオルの端をなぞったり、角をつまんだりするなど繊細な操作によってタオルを畳む。これらの行動を学習し、実行できるようになったという。
同社は「洗濯物を畳むことは人間にとっては平凡な作業のように思えるが、人型ロボットにとっては最も困難で繊細なタスクの一つ」と説明する。タオルは変形しやすく“正しい”つかむ位置を限定できないからだ。一方でHelixは、タオルを物理的な物体として演算することなく、洗濯物を畳む動作に成功したとしている。
同社は、今回の成果について、Figure 02とHelixの組み合わせにより、産業向けの物流タスクと家庭内のタスクのどちらにも対応できるとアピール。今後はデータ収集の範囲を広げ、Helixの性能をさらに高めたい考えだ。
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