不動産業界向けのAIサービスを手掛けるトグルホールディングス(東京都港区)は9月2日、同社の全エンジニアに、“個人用AIスーパーコンピュータ”をうたう米NVIDIAのデスクトップPC「DGX Spark」を配布すると発表した。オープンな大規模言語モデル(LLM)のチューニングなどを効率化する他、AIの利用に掛かるAPI料金の最適化などを見込む。
詳細な購入総数や費用は非公開だが、ITmedia AI+がトグルホールディングスに聞いたところによれば「投資金額は数千万円規模」(同社)という。今後入社するエンジニアに対しても、予算などを加味してDGX Sparkやそれに近い環境を整備するとしている。
同社はDGX Spark導入により(1)API料金や、クラウドの利用待ち時間に左右されないAI活用環境の整備によるAI活用や検証の高速化、(2)軽量なファインチューニングやその評価の内製化、(3)機密性の高いデータを使った試作開発──を実施・強化。AIを取り入れたプロダクト開発や業務効率化を加速するという。
DGX Sparkは7月発売。NVIDIAのSoC「NVIDIA GB10 Grace Blackwell Superchip」と、第5世代Tensorコア、128GBのメモリを搭載。最大1PFLOPS(1秒間に1000兆回)の計算性能を持ち、1台で最大2000億パラメータの大規模言語モデルを、2台併用すれば最大で4050億パラメータのモデルを実行できるという。価格は2999〜3999ドルで、日本の代理店は60万〜90万円程度で販売している。
NVIDIA、AI開発向けPC「DGX Spark」は7月発売 台湾Acer・MSIなどからも提供へ
NVIDIAから個人向け小型AIスパコン 1台3000ドル 最大2000億パラメータのLLMを実行可
Meta、ネイティブマルチモーダルAI「Llama 4」発表 最小モデルは「H100」1枚で利用可能
NVIDIA、GPUクラスタ最適化で「DeepSeek-R1のスループット30倍」 オープンソースで提供Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.