女性キャラクターの腕とテニスラケットが“一体化”している――アニメ「週刊ラノベアニメ」のワンシーンがX上で注目を集めている。きっかけは、あるXユーザーが9月8日に投稿した同シーンのスクリーンショット。この「作画崩壊」(アニメの作画が乱れること)に対し「生成AI画像を使ったのか」「チェック体制どうなってるの?」など、さまざまな意見が飛び交っている。
週刊ラノベアニメは、7月からABCテレビ・テレビ朝日系列で放送中のアニメ。エンターテインメント事業を手掛けるバルス(東京都中央区)などが展開する、YouTube発のオリジナルのショートアニメプロジェクト「ラノベアニメ」のテレビ版で、ショートアニメ4作品のオムニバス形式を取っている。人気ライトノベル作家が原作を書き下ろしており、「薬屋のひとりごと」の作者である日向夏さんや、「Re:ゼロから始める異世界生活」の作者である長月達平さんなども参加している。
X上で注目を集めたのは、ABCテレビで6日に放送された週刊ラノベアニメ第9話のワンシーンだ。同シーンでは、女性キャラクターの腕とテニスラケットが一体化しているほか、その直前のシーンでは一部の文字が乱れるなど、作画のミスが確認できる。
これに対し、X上では、画像生成AIを利用した可能性を指摘する声や、違和感のある画像をそのまま放映したチェック体制に疑問を投げかける声などが上がっている。また「人力の修正作業が増えるんじゃ本末転倒どころか、存在意義自体が怪しくなる」として、アニメの制作現場におけるAI活用に否定的な意見も出ている。
一方で「人でもAIを笑えないものを作る」として、人間が作画を手掛けた過去のアニメの作画崩壊を引き合いに、AIに限った問題ではないのではとの指摘も。他にも「もともと3Dポリゴンの制作会社がTVアニメに初めて進出した作品。アニメーターが自社に居なかったから、生成AIに頼ったのでは」と推測するXユーザーも見られるなど、さまざまな意見が飛び交っている。
他方、腕とテニスラケットが一体化した見た目から、一部のXユーザーは、漫画「コブラ」の主人公であるコブラを連想したようだ。同作を想起させるファンアートが投稿されるなど、AI以外の文脈でも話題を呼んでいる。
ITmedia AI+編集部は、バルスに週刊ラノベアニメの制作体制や、チェックをすり抜けて作画が乱れたシーンが放映された理由などを確認している。返答があり次第、追記する。
【修正履歴:2025年9月9日午後6時】記事掲載当初、タイトルに「とあるアニメが注目」と記載しておりましたが、「とあるアニメに注目集まる」に修正しました。
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