スマートフォンゲームなどを手掛けるKLab(東京都港区)は9月10日、高性能GPUの計算能力を外部に貸し出すGPUクラウド事業に参入すると発表した。同社は「KLabは25年のサーバ運用実績と長年のAI研究実績がある」とアピール。市場で大きな競争優位性を発揮できると表明している。
KLabは創業以来、クラウドサービスも活用する一方、独自の自前サーバの運用も続けてきたという。同社は「ゲーム開発を始める以前は、高負荷対応サーバの提供を主要サービスの一つとし、大手テレビ局による日本初の動画配信サービスや、最大手タレント事務所の公式サイトなど、10万同時アクセスを超える大規模サービスを支えてきた」と説明。これらの実績は、GPU AIクラウド事業を推進するための技術基盤になると主張している。
また、AI分野でも積極的な研究開発を進めているという。AI研究のカンファレンス「AAAI-23」での論文の採択や、九州大学との共同研究を実績に挙げている。このことから、同社は「最先端技術への理解と応用力を兼ね備えた企業としての地位を確立してきた」とし、GPU AIクラウド事業でも大きな競争優位性を発揮できると考えを示した。
一方、課題として「初期投資が大きい」「サーバ資産の保有リスク」「セキュリティリスク」などを列挙。これらに対処するため、業務提携などを進める予定で、準備ができ次第発表するという。
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