Googleは10月2日、クラウドストレージサービス「Googleドライブ」のPC版アプリ向けに、AIを活用したランサムウェア検知機能のオープンβ版をリリースした。ランサムウェアを検知するとファイルの同期を自動的に停止し、未感染の状態に復元できる。
企業向け「Google Workspace」の大半のプランで追加費用なしで利用でき、個人ユーザーは、ファイル復元機能のみ追加費用なく利用できる。
Googleドライブアプリは、ファイルやドキュメントをローカルフォルダに保存すると、自動でクラウド同期するサービス。複数PC・複数人でファイルを共有する際に使われる。
新機能は、侵入を防ぐことに重点を置く従来のウイルス対策ソフトと違い、侵入された場合に攻撃を無効化する防御策を構築した。
数百万のランサムウェアサンプルでトレーニングした専用のAIモデルを使い、ファイルが悪意を持って暗号化・破壊される兆候を検知。ランサムウェアが拡散する前にクラウドへのファイル同期を停止し、組織全体のデータ破損や業務の中断を防ぐ。新規の脅威情報も取り込み、未知のランサムウェアにも適応する。
IT部門は、ランサムウェアの検知アラートを管理コンソールで確認でき、セキュリティセンターで詳しい監査ログを確認することもできる。
顧客の許可や指示がない限り、顧客データを広告や生成AIモデルのトレーニングに利用しないとしている。
クラウド狙う“削除型ランサム”被害 エネクラウドがデータ消失を公表、顧客情報漏えいの可能性も
紳士服「はるやま」ランサム攻撃でECサイト停止、ポイントサービスも利用不可に
警察庁、ランサムウェア「Phobos/8Base」で暗号化されたデータを復号するツールを開発・公開
ランサムウェア感染時のマニュアル、6割超が「準備していない」――ガートナー調査Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.