ソフトバンクは12月1日、物理法則を理解するロボット向けのAIモデル「フィジカルAI」の社会実装に向け、産業用ロボット大手の安川電機と協業を始めたと発表した。協業の第1弾として、ビル管理システムと連携し、オフィス内で複数のタスクをこなすロボット向けのシステムを開発した。
開発したシステムには、ロボット本体の近くにある複数のサーバによって低遅延に演算処理する技術「MEC」(Multi-access Edge Computing)を活用。ロボットの動きに必要なタスクを生成するAIモデル「VLM」を、MEC上で動作させた。このVLMに、ビルの管理システムと、VLMの指示に基づいてロボットを動かすAIモデル「VLA」を連携した。
このシステムにより、ロボットのセンサー情報や、ビルの状況などを活用しながら、安川電機のアーム型のロボット「MOTOMAN NEXT」を動かせるようにした。例えば、オフィスの棚から特定のスマートフォンを取り出すタスクに成功したという。
協業では、ソフトバンクがMEC環境の提供とVLMの開発を手掛け、安川電機はMOTOMAN NEXTの提供とVLAを開発した。
今回開発したシステムは、12月3日から6日まで東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催するイベント「2025国際ロボット展」の安川電機ブースで、デモンストレーションを実施予定だ。
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