2月5日のAIイベント「DeNA×AI Day」で、AIを活用した効率化により現業の人員を半分に減らし、残る半分を新規事業に充てる目標を発表したDeNAの南場智子代表取締役会長。その方針はビジネスパーソン間で大いに話題になり、今回の経営判断に至った経緯に注目が集まった。
そこで本記事では同イベントにおける南場会長の講演全文を文字起こし。南場会長がどのような視座を基に今回の発表に至ったか伝える。以下、講演の全文。
皆さんこんにちは。ご視聴ありがとうございます。私からはDeNAがAIとどう向き合っていくのかということをお話ししたいと思います。まず経営者としてAIをどう見るかということですが、確かなものとして経営の効率性のアップというのがあります。
いろんな会社が生産性をアップしたよということを発信しています。今ですとカスタマーサポート、それからソフトウェアエンジニアリングに加えまして、 マーケティング、そしてこれからおそらくHRとか法務、 それから経営企画、経理といったところまでこのAIのインパクト、生産性アップの劇的なインパクトが行き渡ってくると思います。皆さんの仕事も随分と楽になったり早くなったり、期間が短くなったりしているんじゃないでしょうか。
私のような経営者はどうかというと、実は私もすごくAIの力で楽になっています。 私の仕事の特徴は、現場で何か作り上げるというよりも、ミーティングがやたら多く、毎週初めての人に会うんですよね。(一方で)自分の癖なんですけれども、 本当に準備をギリギリにするという癖があります。
この背景(画像2参照)が私のGoogleカレンダーの先週のスケジュールです。(AIで)どんなふうに楽になったかというと、まず初めて会う人に関しての情報収集ですね。
今は「Perplexity AI」でその方についての必読記事は何ですかと言って、 そこでURLを全て「NotebookLM」にぶっこむと。そしてYouTubeも、その人が配信している場合は、 最近のものは全部そのURLをコピーして、NotebookLMに入れます。 Xで発信している場合もテキストで入れることもあります。そうするとその方の最近の考え方とか、どんな活躍をしているかということがすごく効率的に分かります。
行きのタクシーの中でNotebookLMとチャットをしながら、この方は「トランプ政権については何か言ってますか」とか「スタートアップエコシステムについてはどうでしょうか」みたいなことを聞くとですね、この人はこれについてはこんな考えを持っているよということを答えてくれるので、 本当にピンポイントでいい情報が集まります。
かつ、ミーティングに臨むときには「Circleback」をオンにしていいですかと、言える相手には言っています。そうするとミーティングが終わってすぐに、todoリストが出てきて、大変に効率も質もアップしています。
もちろん投資の判断のときは、皆さんもやってらっしゃると思いますが、(Googleの)「Deep Research」系で、ガツガツ情報を集めてミーティングに臨むということをやっています。
こんな風に、自分自身もすごく楽になったなということで感動しています。基本的にはAIのパワーというのはホワイトカラー全てに、特に、AIエージェントが実用化されると、ホワイトカラー全般の生産性が、そして仕事の質が劇的に上がるんじゃないのかなと思います。
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