もう一つ、これはまだ考察中ですが、人材について必要な人材のイメージも変わってくると思います。今、西海岸でエンジニア不要なんじゃないかと侃侃諤諤で議論されているんですけども、私はそれはノーだと思います。100年後は全然違う世界かもしれませんが、見える未来に関しては、エンジニアに対する需要が高まると思います。
全ての産業あるいは個人の生活をAIでアップデートしていくというビジネス機会、おいしい時代ですよね。このビジネス機会を取り込んで実現するためには、AIの専門家が必要なわけですし、専門家だけではなくて「AI savvy」「AI friendly」というか、AIを用いて何が作ってやるという気持ちのあるエンジニアに対する需要は高まる一方だと思います。
そして全てのプロダクトはAI×業界知識でできていきます。ですから業界に関する専門知識ですとか、業務に関する知識、あるいはデータ。そして顧客基盤へのアクセスを有する人材への需要というのも当然高まっていきます。
そしてAIが指示通りに動いてくれるという未来でも、やはり起点は人間であると思います。物事を起こす意思を持っているということ、夢中になる力、欲望を持つ、こういうことがどんどん重要になるんじゃないでしょうか。
仕事がどんどん濃くなりますから、薄い仕事は全部コンピュータで任せることになるので、私はこういった意思、“起点力”というものがすごく重要になると思います。
一方で日本の教育を考えると、正解を言い当てる、あるいは一律な環境で一律なパターンで学習をしていくという教育システムがまだ変わっていないので、AI時代に求められる教育に大胆に変えていく必要があるなと思っています。
さて皆さんに(関する)意味合いです。今、おいしいタイミングだと言いましたAIの波ですけれども、このゲームは78兆円投資をする人だけが主役ではありません(編集注:ソフトバンクグループが参加する「Stargate Project」を指す。講演の2日前、ソフトバンクGの孫正義社長はOpenAIとの合弁会社設立などを発表していた)
78兆円投資をする人も、AIの波を“皆さんごと”にするために投資をするんだと思います。日米のギャップは大きいと言いましたが、日本も世界も今ここです(画像4参照)です。
この横軸はですね、OpneAIの、AGIに至る5つのステップです。その先はASIとありますけども。インフォメーショナルなAIに加えて、最近はフィジカルなAIも、現実の可能性として議論されています。事業機会は比較急速的に上がっています。その中で今、ここにいるということです。
ですから今ですよ。今、この波を捉えて入っていこうでありませんか。
私は、大小に関わらず一般の企業全て、そして一般の個人全てにこの主役の可能性があると思います。要は何をつかむかどうかだということに思っています。
私個人も最近、日本の女性の平均健康寿命がどれくらいか調べちゃって「あと10何年じゃない。どうしよう、10何年で何ができるんだろう」と焦ったこともありました。
けれどもAIエージェントを使い倒して、10倍あるいはそれ以上の仕事ができる可能性が現実のものとして感じられているということは、100年分の仕事ができると思って張り切っています。ご清聴ありがとうございました。
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