「現在の事業はだいたい3000人で運営している。非常にモデスト(謙虚)な目標だが、これを半分にする。半分で現業を成長させながら、残りのもう半分で新規事業をやっていく。DeNAはAIにオールインする」──DeNAの南場智子代表取締役会長は、同社が2月5日に開催したAIイベント「DeNA×AI Day」の基調講演で、今後の事業方針についてこう語った。
南場会長は生成AIによる効率化によって、現業の維持・成長に必要なホワイトカラー人員を削減。浮いた人的リソースで、アプリレイヤーの生成AIサービスを新たに手掛ける方針を示した。
新規事業としては、B2BとB2Cのサービス双方を想定する。B2Bでは、バーティカル(業界特化型)AIエージェントサービスを立ち上げるという。ターゲットとなる業界は、既存事業で知見のあるヘルスケアやスポーツ分野を想定。ただしM&Aによって他分野に進出する可能性もあるとした。
2Cではゲームやコミュニティーなどエンターテインメント分野の新サービスを検討しているという。中国の先行サービスを参考にしつつ「われわれ独自の発想で面白いサービスを展開できるのでは」とした。
一連の新事業に向け、AIスタートアップの支援やM&Aを活発化する方針も示した。南場会長が立ち上げたDelight Venturesや他のベンチャーキャピタルと協力し「目を皿にしてAIスタートアップを探していく」(南場会長)という。
講演では、米OpenAIなどと協力し、米国のAIインフラに約78兆円を投資する計画を発表したソフトバンクグループと、計画の会長を務める同社の孫正義会長兼社長に触れる一幕も。南場会長は「(AIに関する)このゲームは78兆円投資する人だけが主役じゃない。私は大小にかかわらず全ての一般企業、全ての一般個人に主役の可能性があると思う」と、事業機会の豊富さを説いた。
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