なぜ、人型ロボットで中国が急成長しているのか? 識者に聞いた“3つの理由”(1/3 ページ)
SNSやニュースで、中国の人型ロボットの話題をよく見かけるようになった。ロボット開発企業の中国Unitree Roboticsの人型ロボットが、カンフーアクションを披露する動画や、EV(電気自動車)メーカーの中国小鵬汽車(シャオペン)の人型ロボットが、人間のように滑らかに歩く動画を目にした読者も多いだろう。
人型ロボットを開発する企業数も多い。2024年12月時点で、世界全体で人型ロボット本体を開発する企業約220社のうち、中国企業が半数を占めるという。
人目を引くデモンストレーションにとどまらず、一部では試験導入も始まっている。ロボット開発企業の中国UBTECH Roboticsは、人型ロボット「Walker S1」を中国BYDや独Audiなど自動車メーカーをはじめとする20社以上に導入し、生産ラインなどで実証実験をしている。他の企業の人型ロボットも、ファストフード店や銀行の窓口業務などでの導入例があるという。
この急成長を何が支えているのか。人型ロボットに関する中国の戦略や課題、今後の展望などを、現地の事情に詳しい野村総合研究所の李智慧氏(り・ちえ、未来創発センター エキスパート)に聞いた。
人型ロボの強みとは? 将来的には「200兆円」の市場規模も
そもそもなぜ、世界的に人型ロボットが注目を集めているのか。李氏は未知のデータへの対応力を指す「汎化性」をキーワードに挙げる。人間の身体を模したボディーを持ち、急速に発達したAIによる自律的な歩行と判断ができるため、事前に教えていないさまざまなタスクに対応できることが強みだ。
また将来的には家事や介護など、家庭での人型ロボットの活用も期待される。李氏は「従来の産業用ロボットのように、一部の作業の効率化や代替にとどまらない」として、経済的なインパクトも大きいと指摘する。
中国の公的な研究機関「中国信息通信研究院」は、24年時点で、45年には汎用性のある人型ロボットが世界で1億台以上導入されると推測する。ロボットなどの物理デバイスにAIを組み込む「エンボディードAI」の市場規模は、約10兆元(200兆円)に到達するとしている。
なお李氏によると、一部の中国ロボット開発企業は「35年ごろ、技術の進歩によってはもっと早くなるかもしれない」と、より楽観的な見方を示しているという。
中国人型ロボットの急成長を支える“3つの要因”
こうした人型ロボット市場で、何が中国企業の急成長を支えているのか。李氏は、大きく分けて3つの要因を挙げる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia AI+に関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
OpenAIのAIエージェント、休眠サイトを掲示板化してタスク回答を共有か 研究団体が報告書公開
-
2
RIZAP社員、私用AIに顧客の個人情報入力 氏名や疾患、保険証番号など……同社が謝罪
-
3
【無料】日本語のAI学習サイトをAnthropicが公開 「Claude Code入門」など357のコンテンツが学べる
-
4
「Copilot、Word文書まとめて」で社内全滅? 勝手に増殖するAIウイルスで大騒ぎ:895th Lap
-
5
ChatGPTの利用制限、新モデル「Astra」提供まで“毎日リセット” 有料ユーザー向け
-
6
なぜAI企業は社内で「ソフトウェアエンジニア」と呼ばなくなったのか 広がる「MTS」と職種の未来
-
7
AIで2D図面を3D CADモデル化、アセンブリからバラシ図面の作成も
-
8
FANZAで「成人向けAIコンテンツ制作サービス」開始 8月24日から先行体験
-
9
従業員が「個人利用のAIサービス」に顧客情報をアップロード RIZAPが謝罪
-
10
「最大45%コスト減」 Anthropicが「Claude Fable 5.1」発表 脆弱性検知にも対応
SpecialPR
ITmedia AI+ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmedia AI+をフォロー
あなたにおすすめの記事PR