AI生成した「ホロコーストの偽画像」に警鐘 ドイツ政府や追悼団体
ドイツ政府や複数の追悼団体がソーシャルメディアのプラットフォームに対し、第二次世界大戦中にナチスが600万人以上のユダヤ人を殺害したホロコーストに関するAI偽画像の拡散を阻止するよう求めた。
強制収容所の追悼施設や資料センターは1月12日週に公開した書簡の中で、ホロコーストに関連する偽画像の急増に対し、深い懸念を表明した。これらの画像には、強制収容所の収容者と解放者の対面や、有刺鉄線の向こう側にいる子どもたちなど、架空の出来事を過度に感情的に描いたイラストが含まれていた。
1月13日付の書簡で各団体は「AI生成コンテンツは、歴史を矮小化し、陳腐なものに変え、歴史を歪曲している」と指摘。こうした画像が本物の歴史資料に対する信頼を損ねているとコメントした。
ドイツのヴォルフラム・ヴァイマー文化・メディア担当相は、AIで生成した画像はその事実を明確に表示し、必要に応じて削除するという追悼機関の取り組みを支持すると述べた。同氏はロイターへの電子メールで「これは、ナチスの恐怖政治の下で殺害・迫害された何百万人もの人々に対する敬意の問題だ」と述べた。
団体側は、こうした画像の一部は注目を集めて収益を得ることを目的にしていると述べた。さらに「歴史的事実を薄め、被害者と加害者の役割をすり替え、歴史修正主義的な物語を広める」ことを意図しているようだとの見方も示した。
追悼団体はソーシャルメディア・プラットフォームに対し、ユーザーからの通報を待つのではなく、ホロコーストに関する偽のAI画像に対して主体的に行動し、明確な表示を徹底させ、収益化を阻止すべきだと述べた。
これらの団体には、ベルゲン・ベルゼン、ブーヘンヴァルト、ダッハウといった強制収容所の追悼センターが含まれている。これらの収容所では、ユダヤ人のほか、ロマ、シンティ、性的マイノリティー、障害者などが殺害された。
チャットbot「Grok」を運営するイーロン・マスク氏のxAIをはじめ、AI企業は女性や未成年者の性的なディープフェイク画像がオンライン上で数多く拡散されている問題で批判にさらされている。
Copyright © Thomson Reuters
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia AI+に関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「もうプロンプトは書かない」 Claude Code生みの親が明かす“ループエンジニアリング”の衝撃
-
2
プロンプトガチャはもう古い――「ハーネスの父」が明かす、AI駆動開発の極意
-
3
「それは“FDE”ではない、ラベルの貼り替えだ」 結局、割高なベンダー依存から抜け出せない企業の共通点
-
4
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
-
5
データセンター級のAIをローカルで、HPが大規模AI向けワークステーション発売
-
6
なぜルネサスは、TSMCに勝てなかったのか “電子立国ニッポン”当時を知る日立のキーマンが語る
-
7
不正アクセス多発、Gartnerが日本企業に「7つのアクション」を緊急提言
-
8
イーロン・マスクが語る「AIの限界」 フィジカルAIで「経済規模100万倍」と期待
-
9
富士通では「Copilot」10万ライセンスの利用率が“9割超え” 「導入したけど使われない」をどう防いだ?
-
10
声で動く協働ロボット フィジカルAIの検証ハードルを下げるパッケージ登場
SpecialPR
ITmedia AI+ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmedia AI+をフォロー
あなたにおすすめの記事PR