現状のAI法は「リスク対応後回し」――出版フリーランス労組が声明 AIの“適切な規制”求める
出版業界で働くフリーランスが集う労働組合のユニオン出版ネットワーク(出版ネッツ)は2月1日、生成AIに関する法規制を求める声明を出した。現状のAI法(人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律)では「リスク対応は後回し」と指摘する。クリエイターの権利保護のため、法規制の強化を要求している。
声明では、以下の4点を訴えている。1点目は「(AIの)学習データの開示義務化」だ。「生成AIは著名なコンテンツを含む多くの表現を無断で取り込んでいる」との見方を示し、権利侵害の有無の確認や、公正な収益還元の要求などのために必要としている。
2点目は「生成AIの利用有無のラベリング義務化」だ。「生成AI利用を伏せた制作物がコンペに応募されれば公正な審査ができなくなる」といった例を挙げ、生成AIの事業者や利用者に対し、コンテンツ制作におけるAI利用の明示を求めている。また、SNS事業者にもラベリングの管理や監督を要求した。
3点目は「オプトイン(事前同意)、オプトアウト(事後拒否)の義務に関するルールの策定」だ。現行の著作権法第30条の4では、AI開発のための情報解析など「著作物に表現された思想又は感情の享受を目的としない利用」の場合、原則として著作権者の許諾は必要ない。
一方、出版ネッツは「著作物の利用にあたって、著作権者に許諾を得ること(=オプトイン)は、著作権法の原則」「生成AI技術の急速な進展により、状況が大きく変化している」と主張する。同条項の見直しを含め、生成AI事業者のクリエイターに対するオプトインの義務化などを訴えた。
4点目は「ディープフェイク画像・動画・テキスト生成への罰則規定の導入」だ。災害時や選挙期間のディープフェイクの拡散や、性的ディープフェイク被害といった問題に言及し、早急な規制を求めた。
出版ネッツは、現状のAI法の不備を指摘する背景として「多くのクリエイターが無断で自身の創作物を生成AIに利用され傷つき苦しんでいる」と説明。生計面でも多くのクリエイターが懸念を抱いているという。また、欧州や韓国で施行済みのAI規制に関する法律にも言及し、クリエイターの権利保護のため、日本でも法規制の強化が必要との見解を示した。
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