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崩れゆく「Mac OS X安全神話」(2/2 ページ)

» 2009年08月14日 07時30分 公開
[Don Reisinger,eWEEK]
eWEEK
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知らぬが仏

 IT業界の外の人たちとMac OS Xの話をするときに一番よく聞くコメントは、「AppleのOSはWindowsよりも安全」だ。彼らは、「Macにはウイルスやスパイウェアの問題は全然ない」と主張している。この状況はあまりにひどく、最近地元のコンピュータショップの店主から「セキュリティを求めるなら、Windowsを捨ててMacを使う必要がある」と言われたほどだ。

 このような考えは危険だ。Mac OS Xがこれまで(Windows)より安全だったことは分かっているが、Appleの18件のセキュリティフィックスは別の話だ。MacユーザーもWindowsユーザーと変わらずセキュリティ問題の影響を受けやすいのだ。

 だがどうして人々はこんな安全神話を信じるようになってしまったのだろうか? その原因がAppleにあるのは間違いない。

 現在、Appleのサイトのセキュリティページには、Macの購入を考えている人のためのこんな注意書きが載せられている。「Macは箱を開けてすぐに不正なソフトやセキュリティの脅威からの保護を提供する技術が内蔵されています。しかし、すべての脅威に対して100%影響されないシステムはあり得ないため、ウイルス対策ソフトを導入すると保護が強化されるかもしれません」

 これは憂慮すべきだ。「ウイルス対策ソフトを導入すると保護が強化されるかもしれません」? これではウイルス対策ソフトを熱心に勧めているようには見えない。実際、なくても安全だと言っているように思える。これに対してMicrosoftはSecurity Essentialsを提供し、ユーザーに習慣を変えるよう訴え、他社のセキュリティソフトを使っているユーザーをサポートしている。このことから、セキュリティの脅威がわたしたち皆に影響すると認識しているという点で、Microsoftがはるかに先を行っていることが分かる。

Appleは目を覚ますのか

 しかし、Mac OS X Snow Leopardはどうなのだろうか? Appleはこの先セキュリティをマーケティング戦略の重要ポイントにするだろうか? そうはならないだろう。ではAppleのセキュリティページの注意書きは? あれはSnow Leopardのセキュリティページに大きく書かれていた。

 なんとまあ。

 Snow Leopardはこれまでで最も試されるAppleのOSになる。ユーザーの増加、そしてハッカーが「Macユーザーはセキュリティ問題に無頓着」という考えていることから、同OSは今後ハッキングの温床となるかもしれない。もしそんなことになって、Appleのセキュリティ問題が悪化の一途をたどったら、一体どうなったらAppleは目を覚まして、鉄壁のセキュリティという神話を信じてはいけないということに気付くのだろうか?

 大規模なセキュリティ侵害が起きたら――ではないことを願おう。

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