5W2Hで“バラバラ事件”――「割り算のプロセス」四則演算の発想フレームワーク(2/2 ページ)

» 2009年06月30日 11時30分 公開
[永田豊志,Business Media 誠]
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 「いまさら5W2Hかよっ!」と思われた方もいるかもしれません。

 5W2Hは、状況や事実をもれなく、端的に伝える方法として有効な考え方ですが、問題を過不足なく分解する場合にも、とても有効な切り口になるのです。

 5W2Hは、いまさら説明の必要もないですが、Why、When、Where、Who、What、How、How Muchの頭文字をとったものです。状況や事実を「何のために」「いつ」「どこで」「誰が」「何を」「どのように」「いくらで」……という問いかけに答えることで、整理し、モレのない記述ができます。5W2Hを問題の分解切り口として使う場合は、以下のような質問を問題提起者に(自分なら自分に)問いかけてみてください。

Why(何のために)=目的軸で分ける

 「なぜ、そうするのですか?」「目的は何ですか?」「ゴールは何ですか?」

When(いつ)=時間軸で分ける

 「どのような流れになっていますか?」「どのくらい時間がかかりますか?」「タイミングはいつですか?」

Where(どこ)=空間軸で分ける

 「場所はどこですか?」「大きさや配置はどうですか?」

Who(誰)=人間軸で分ける

 「登場人物には誰がいますか?」「どんな人ですか?」「誰が誰に対してそうしますか?」「誰のためですか?」「誰が一番ですか?」

What(何を)=機能軸で分ける

 「どのような機能を提供していますか?」「何をするのですか?」

How(どうやって)=手段軸で分ける

 「どのようにやりますか?」「どのような手段を使っていますか?」

How Much(いくらで)=経済軸で分ける

 「いくらかかりますか?」「いくらかけたいですか?」「入と出のバランスは?」



 中でも、「Why(何のために)」は重要です。現状の問題がどのような目的を持って動いているのか、本来持つべき目的やゴールと食い違っていないかをチェックすることが大切です。木を見て森を見ない状態では、本来のゴールを見落としがちになるからです。また、本来のゴールを確認することで、意外なアイデアが出ることも少なくありません。

 また注意してほしいのは、5W2Hそれぞれの言葉の意味に限定されず、「軸」で問題をとらえるということです。例えば「When(いつ)」で切る場合に、「それが、いつ行われるか」だけではなく、「どのくらいの時間行われるのか」「どのようなスケジュールか」「時系列のフローはどう進むのか」……、など「時間軸」という切り口を使って、いろんな側面から「切って」ください。

photo 5W2Hは、状況や事実をもれなく、端的に伝える方法として有効な考え方ですが、問題を過不足なく分解する場合にも、とても有効な切り口になるのです。状況や事実を「何のために」「いつ」「どこで」「誰が」「何を」「どのように」「いくらで」……という問いかけに答えることで、整理し、モレのない記述ができます


 なお、書籍『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』では、割り算のプロセスに関する例題を掲載しています。そちらを参考に練習してみてください。

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