「いまさら5W2Hかよっ!」と思われた方もいるかもしれません。
5W2Hは、状況や事実をもれなく、端的に伝える方法として有効な考え方ですが、問題を過不足なく分解する場合にも、とても有効な切り口になるのです。
5W2Hは、いまさら説明の必要もないですが、Why、When、Where、Who、What、How、How Muchの頭文字をとったものです。状況や事実を「何のために」「いつ」「どこで」「誰が」「何を」「どのように」「いくらで」……という問いかけに答えることで、整理し、モレのない記述ができます。5W2Hを問題の分解切り口として使う場合は、以下のような質問を問題提起者に(自分なら自分に)問いかけてみてください。
「なぜ、そうするのですか?」「目的は何ですか?」「ゴールは何ですか?」
「どのような流れになっていますか?」「どのくらい時間がかかりますか?」「タイミングはいつですか?」
「場所はどこですか?」「大きさや配置はどうですか?」
「登場人物には誰がいますか?」「どんな人ですか?」「誰が誰に対してそうしますか?」「誰のためですか?」「誰が一番ですか?」
「どのような機能を提供していますか?」「何をするのですか?」
「どのようにやりますか?」「どのような手段を使っていますか?」
「いくらかかりますか?」「いくらかけたいですか?」「入と出のバランスは?」
中でも、「Why(何のために)」は重要です。現状の問題がどのような目的を持って動いているのか、本来持つべき目的やゴールと食い違っていないかをチェックすることが大切です。木を見て森を見ない状態では、本来のゴールを見落としがちになるからです。また、本来のゴールを確認することで、意外なアイデアが出ることも少なくありません。
また注意してほしいのは、5W2Hそれぞれの言葉の意味に限定されず、「軸」で問題をとらえるということです。例えば「When(いつ)」で切る場合に、「それが、いつ行われるか」だけではなく、「どのくらいの時間行われるのか」「どのようなスケジュールか」「時系列のフローはどう進むのか」……、など「時間軸」という切り口を使って、いろんな側面から「切って」ください。
なお、書籍『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』では、割り算のプロセスに関する例題を掲載しています。そちらを参考に練習してみてください。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.