サンドイッチこそ、料理が苦手な男性向け料理迷わずはさめよ、はさめば分かるさ!

3カ月にわたってサンドイッチを作り続けてきた本連載も、ついに最終回。コストと手軽さを意識したレシピを作ってきた中で、学んだこと、気付いたことがあります。

» 2009年11月11日 08時30分 公開
[シックス・アパート 中山順司,Business Media 誠]

 料理にうとい筆者が、3カ月にわたってサンドイッチを作り続けてきました。今回は最終回として、その経験から学んだこと、気づいたことを5つ挙げてみようと思います。

 記事の最後には、これまでに作ってきたレシピの中から、特に人気の高かったものの写真を一挙掲載しています。昼食前の読者には酷(?)かもしれませんが、どうぞ最後までお付き合いください。

日本のパン文化は偏っている?

 スーパーのパン売場には、そのまま食べるロールパンや惣菜パン、菓子パンが豊富に置いてあります。しかし、サンドイッチのような加工を前提にした“ベース”としてのパンは、食パン、フランスパン、マフィンくらいしかありません。意外に種類が少ないです。

 市販のパンでは飽き足らず、バラエティを求めて町のパン屋さんもハシゴしました。しかし、

 「ウチのパンでサンドイッチ作るの? そのまま食べてほしいんだけどな……しかし、あんたも物好きだね」

 という対応ばかり。

 「サンドイッチの向き・不向き」とか、「はさむ素材との相性」のアドバイスを期待したのですが、ほとんど収穫がありませんでした。日本は、パン食文化は根付いていても、パンを使った料理に関してはさほどでもないのかなと思います。

加工肉やチーズの種類も乏しい

 ハムやチーズの種類が少なかったのも驚きでした。例えばチーズですが、溶けるとか、最初から切れているとか、用途別に複数の形状が用意されてはいるのですが、味はどれも似たようなものばかり。価格も「ハム一切れ20円」くらいするので、注意。調子に乗ってホイホイ使うと、すごく高くついてしまうことがあります。

コストに敏感になった

 いわゆる「オヤジの道楽料理」なら、材料の価格に頓着しなくてもいいでしょう。ですが、本連載のテーマは“お手軽ビジネスランチ”なので、コストには敏感になりました。単においしいだけでなく、いかに「安さ」を両立させるかを常に意識していました。また、無駄を出さないよう材料を使いきるサイクルを回していくのも、慣れるまではしんどい作業でした。 自炊での弁当とは、レストランの食事のように格好のよいものではないのですね。

毎日作っても苦にならないのがGOOD

 サンドイッチのよいところは、なんといってもご飯とおかずの弁当よりも圧倒的にラクであることです。前日の晩ではなく、当日の朝に用意することがほとんどだったのですが、短時間で作れるので負担に感じたことはありませんでした。

 米を炊き、おかずを調理し、弁当箱にレイアウトして……という一連の作業が一切不要。プラモデルのように、パンに部品(材料)を当てはめていくだけで完成する安心感があります。

 ものぐさな私でも弁当を日々作れた最大の理由は、「ラクだったから」に尽きます。

実はサンドイッチはオトコ向けの料理だ

 サンドイッチというと、つい女の子やママが作るものと連想しがちです。レシピ本&レシピサイトしかり、サンドイッチ用キッチンツールしかり、可愛らしいものばかりが目に付きます。よって、男性がサンドイッチを作ろうとするのは、「男がファミレスでパフェを注文する」のに似た気恥ずかしさを覚える方もいらっしゃるでしょう。

 でも、本来サンドイッチとは、細かいことを気にせず材料をつっこんで、手でつかんで大胆にかぶりつく食べ物です。そう考えれば、むしろ豪快な男性向け料理といえるのではないでしょうか。

 「料理に興味はあるけど、どんなメニューから手をつけていいか分からない」という男性がいたら、サンドイッチから始めてみることをオススメします。


 さて、連載「迷わずはさめよ、はさめば分かるさ!」は今回で終わりです。連載中は、読者の方からたくさんのご意見やご感想をいただきました。この場にてお礼を申し上げます。最も反応が多く、唯一の心残りでもあった「微妙バーガー」にも前回無事にリベンジできまして、今はなんだかスッキリした気分でいます(笑)。

連載中一番人気だった「七味ハムチーズエッグマフィン」(左)、こちらも人気だった「フランスパン・ピザサンド」(右)

1つ当たり60円でできた「塩やきそばパン」(左)、読者から「マネして作りました!」といううれしい反応をいただいた「ツナガリ・サンドイッチ」(右)

ある意味では一番忘れがたい「微妙バーガー」(左)、そして記念すべき第1回は、「思い出のピーナツバター&ジェリー」(右)でした

 この連載を始めたことをキッカケに、自炊の習慣は身に付きましたし、ほかの料理にも興味を持つようになりました。これからはサンドイッチ以外にも挑戦してみようと思います。それでは、みなさんも豊かなビジネスランチ&サンドイッチ・ライフを!

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