説明書を書く悩み解決相談室。今回の相談者はインフルエンザ対策に頭を悩ます自治体の保健衛生担当者の1人、藤原さんです。
「説明書を書く悩み解決相談室」第6回です!
早いものでもう12月、2011年も残すところ1カ月を切り、待ちに待ったインフルエンザのシーズンがやってまいりました(何て書くと袋だたきにされそうですが……)。
もちろん誰もインフルエンザには掛かりたくないですよね。感染力が強く、体力がない人が掛かると死亡することもあるなど、社会的に警戒しなければならない疾患です。
そこで今回は、そんなインフルエンザ対策に頭を悩ます自治体の保健衛生担当者の1人、藤原さん(仮名)にご登場願いましょう。
開米 はじめまして、藤原さん。保健衛生の担当をされているそうですが。
藤原 はい。主に感染症に関して区で行う対策の推進をしてます。
開米 感染症というと?
藤原 例えばインフルエンザですね。
開米 ああ、なるほど。今ちょうど流行期に入ったあたりですか?
藤原 そうですね。それで、インフルエンザ対策についてあちこちで説明する必要があるのですが、それをもっと鮮やかにできないものかと思いまして。
開米 なるほど。で、例えばこの資料がその一例、ということですね。
藤原 そうなんです。もちろん他にも膨大な資料があるんですが、そのうちの1ページがこれで、関係各所に説明するために使っていたものです。もう少し何かうまい書き方がありませんかね。
開米 そうですね、何かありそうですね……(1)から(4)まで個条書きになってますけど、これ、時間の流れに沿って書かれてますか?
藤原 はい。大体この順番で必要になりますから。
開米 登場する順番に合理的な理由があるものは、その順番通りに書くのが基本なのでそこは問題ないですね。ただ、このままだと「理由があってこの順番に書いているのか、たまたま思い付いた順に書き出したらこうなっただけなのか」が読者には分からないので「理由があってこの順番に書いている」ことを明示した方がいいです。
藤原 というと……。
開米 矢印一本引くだけでいけますよ。「A、B」だとただ列挙してるだけですが、「A→B」と書けばAからBへ向かって何らかの関連性があることを示せますから。
藤原 あ、そうですね、じゃあこんなもんで?
開米 そうそう、これだけでも違います。こう書けば、理由があってこの順番に並べてることがハッキリしますよね。
藤原 そうか……私は分かって書いてるから、矢印がなくても通じると思っちゃってましたが、知らない人に説明するなら明示しなきゃダメなんですね。
開米 そういうことです。あと、もう1つ。
藤原 もう1つ? 何ですか?
開米 (1)〜(4)のそれぞれに一言見出しを付けたいですね。
開米 矢印の部分をちょっと変えて、箱の中に数文字程度の見出しを何か入れられませんか?
藤原 ……あっ、そうか。例えば2番目は「予防」として、他は――。
開米 そう、それですよ! 後の3つは?
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