例えば次のような資料のチャートならAとBの、どちらのチャートのほうが理解しやすいでしょうか? 伝えたいメッセージは「A社の台頭が脅威になりつつあり、日本・アメリカ両市場でのシェア安定のために一層の努力が不可欠」ということです。
ア推移を伝えたいのに、その意図が伝わってこない
比較してみると、伝えたいメッセージが視覚的に分かりやすく伝わるのはチャートBのほうですよね。神は細部に宿ると言われますが、このように細部にこだわり、伝えたいことを洗練させることで、ぐっと読み手をひき付ける資料になるのです。こうしたこだわりを面倒だと感じる人もいるかもしれません。けれど、優れたものには、必ずそうであるための理由があります。
マッキンゼーが「見た目」にこだわるのも、そこに至るプロセスを含めて、細かいところまできっちり押さえた仕事をすることで、後になってから「想定レベルに達していない」「思ったような結果が出ない」ということになるのを防ぐことができるからです。
一般的な仕事の場面でも、細かいところをきっちり押さえることは、いろいろな良い結果につながります。メールの件名、メモや会議資料でも、必ず何の資料なのか、パッと目に入り理解できるタイトルを付けるというのもそうです。
会議資料で「社内の省エネ対策における費用対効果」というタイトルよりは、「空調温度プラス2度で年間10万円コスト削減」のほうが、伝えたいことと伝わることのズレが少ないですよね。
資料の中身にはいいことが書いてあるから、読んでもらえれば分かると思っていても、相手が忙しい人であれば、すべて目を通してじっくり読み込んでくれるとは限りません。
プレゼン資料のタイトルやリード文だけをサッとスキャンして読み取っただけでも「何が伝えたいのか分かる」もの、そのうえでさらに「これは重要だ」と相手をひき付けるものにする習慣は、早めに付けたほうが絶対にプラスです。
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